- 増岡 健司
- 医療法人社団 MEDIQOL 理事長 歯科医師
- 東京都
- 歯科医師
対象:一般歯科・歯の治療
冷たい飲み物を飲んだり、歯を磨くとしみる!ということはないでしょうか?
歯周病や加齢により歯肉が下がったり、無理な力での歯磨き方法などによって歯が削れてしまうと、冷たいものや熱いものを口に含んだ時や歯磨きの時の刺激が、歯の神経に伝わって、しみるような一過性の痛みを感じます。
これを「知覚過敏」といいます。
この状態を放置しておくと、歯磨きばかりでなく、うがいをするのも億劫になります。
以下の症状があれば、知覚過敏の可能性があります。
・冷たいものや熱いものがしみる。
・甘いものやすっぱいものがしみる。
・歯ブラシをあてると歯が痛む。
・歯の付け根を爪で押すと歯が痛む。
・歯肉が下がって歯の根が見える。
・歯が長くなったように見える。
●知覚過敏の原因
・間違った方法での歯磨き(力の入れすぎ、動かしすぎなど)
・不十分な歯磨き
・歯磨き粉の使いすぎ
・歯ぎしり・食いしばり
・歯周病による歯肉の退縮
・硬すぎる歯ブラシ
・加齢による歯肉の退縮
・虫歯
・虫歯、歯周病の治療後
・かみ合わせ
・酸味食品の多量摂取
・唾液の減少
・歯の亀裂、破折 など
●治療方法について
(1)歯科医院での治療
1、薬剤を塗布する:歯の表面に薬を塗りこむことにより、外部からの刺激を遮断します。
2、詰めものをする:つめものをして歯の表面を被覆することにより、外部からの刺激を遮断します。
3、電流やレーザーで強化する:セメント質の部分に対し、特殊な電流やレーザーで歯の質を強化します。
4、その他:虫歯、歯周病、かみ合わせの治療など。
(2)ご家庭での予防
1、正しい歯磨きをする
正しい歯磨きは歯肉の退縮を防ぎ、歯が削れるのを防ぎます。そして、歯の修復(再石灰化)を促進
し、知覚過敏を治します。歯科医院で正しい歯の磨き方を習うのも一つの方法です。
2、歯磨き粉の使用量を減らす、一定期間歯磨き粉の使用をやめる
ほとんどの歯磨き粉には研磨剤が入っています。歯磨き粉の量が多いと、歯が削れて知覚過敏の原
因になることがあります。
3、知覚過敏を抑える歯磨き粉を使用する
歯磨き粉の中の薬用成分により知覚過敏を治します。
4、食事の改善
酸味飲料(ワイン、ジュースなど)や酸味食品(ヨーグルト、夏みかんなど)を過度に摂取すると、酸により歯が溶けて、知覚過敏の原因になることがあります。そのような場合は、食事の改善も一つです。