コンピュータ・ソフトウェア関連発明の成立性(第9回) - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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コンピュータ・ソフトウェア関連発明の成立性(第9回)

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コンピュータ・ソフトウェア関連発明の成立性
 〜精神活動が含まれる歯科治療システムの発明〜(第9回) 
河野特許事務所 2009年2月23日
執筆者:弁理士  河野 登夫

4.3 本判決の問題点

(1)審理対象となった本件補正前の請求項1 の発明(2.2 B に記載の発明。本判決に言う本願発明1)についての審決での判断を否定した本判決の基本的考え方は,
 「人の精神活動による行為が含まれている,又は精神活動に関連する場合であっても,発明の本質が,人の精神活動を支援する,又はこれに置き換わる技術的手段を提供するものである場合は「発明」に当たらないとしてこれを特許の対象から排除すべきものではないということができる。」とした点にある。
 「発明の本質」が何を意味するかは置くとして,「発明」が「人の精神活動を支援する技術的手段」または「人の精神活動に置き換わる技術的手段」を提供するものである事例は,コンピュータを利用した技術の分野ではきわめて多く存在する,というよりは大部分を占めている。蓋し,コンピュータは人の頭脳の働きを代行し,またはこの働きを規模拡大し,高速化するものだからである。
 4.2 に記載したように,「審査基準」は,人間の精神活動を一部利用しているものであっても発明に該当する,と判断する余地を残している。本判決は,「審査基準」には触れていないが,「発明の本質が,人の精神活動を支援する,又はこれに置き換わる技術的手段を提供するものである場合」が,発明該当性を認め得る場合に該当するとしたのである。この場合に発明該当性を認め得る,と判断した根拠と思われるところは,先に引用した「精神活動が含まれている,又は精神活動に関連するという理由のみで「発明」に当たらないということもできない。けだし,どのような技術的手段であっても人により生み出され精神活動を含む人の活動に役立ちこれを助け,又はこれに置き換わる手段を提供するものであり,人の活動と必ず何らかの関連性を有するからである」という点であると見られるが,この根拠は自然法則の利用性について何ら説明しておらず,論理性に欠けると言わざるを得ない。
 (2)前述したように「審査基準」は,人間の精神活動を一部利用しているものについての発明の成立性は必ずしも否定していない。これは「全体としてみれば」自然法則の利用性を認めうるものが存在し得るからであると考えられる。自然法則の利用性を「発明の全体で判断する」,と言う考え方は,先に引用した「審査基準」
 第II部第1 章 産業上利用することができる発明における

(第10回に続く)
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