日経記事;『自動運転技術、8社連携トヨタ・GM・ボッシュなど』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『自動運転技術、8社連携トヨタ・GM・ボッシュなど』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. アライアンス・事業提携
経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

10月9日付の日経新聞に、『自動運転技術、8社連携トヨタ・GM・ボッシュなど』のタイトルで記事が掲載されました。

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

『トヨタ自動車や米ゼネラル・モーターズ(GM)など世界の自動車メーカーと部品メーカー、半導体メーカーが自動運転の技術開発で連携する。各業界の大手8社が発起企業となり、自律走行のデータ処理や安全要件の共通化などで協力する。他の企業にも参加を呼びかけ、完全自動運転の早期実用化と開発コストの低減につなげる。。。』

トヨタは、自動運転機能付次世代環境自動車(EVや水素燃料電池車)を開発・実用化するため、2~3年ほど前から積極的にオープンイノベーション(他社との連携・協業:アライアンス)の手法を活用しています。

今回の記事は、トヨタやGMなどの自動車メーカー、部品メーカーのデンソーと独ボッシュ、半導体の米エヌビディアなど、自動運転機能を実現するため、自動車メーカーだけでなく、幅広く関連企業をアライアンス先に選んでいます。

トヨタは、GMと共に、共同組織「オートノマス・ビークル・コンピューティング・コンソーシアム(AVCC)」を発足させました。

自動運転機能付EVの開発・実用化は、現時点では米大手IT企業のグーグルが先行しています。この自動運転車市場には、アップルやアマゾンなどの他の米大手IT企業も参入する可能性があります。

次世代環境自動車(EVや水素燃料電池車)は、現在の自動車メーカーが大きな強みをもっていますガソリンエンジン車のノウハウが、まったく通用しません。

EVは、テスラモーターズが先行して開発・実用化しています。テスラモーターズは、ガソリンエンジン車についてはノウハウをもっていません。

しかし、テスラモーターズは、しょうしょう大げさに言いますと、蓄電池システムとITの活用で、電気自動車を開発・実用化しました。

テスラモーターズは、現在電気自動車の量産化では多少苦戦していますが、米国のサンフランシスコやシリコンバレーでは、数多くのテスラ車が走っています。

グーグルは、電気自動車自体を製造する考えをもっていません。フィアット・クライスラー・オートモービルズは、グーグルと自動運転機能付EVの開発・実用化を共同で行っており、グーグルに自動車本体をOEM供給する可能性があります。

もし、グーグル、アップル、アマゾンなどの米大手IT企業が、自動運転機能付EVの開発・実用化で主導権を握ると、多くの自動車メーカーは、自動車本体(ハードウエア)のOEM供給者になり、既存の事業基盤を失います。

米大手IT企業は、既存事業基盤を急速に破壊・再構築することで、自前の事業基盤を新規に作って、プラットフォーマーとして発展してきました。

トヨタは、その動きをきちんと学習しており、既存自動車の事業基盤は、100年に1度の大変革時期に直面していると名言しています。

米大手IT企業は、新規の事業基盤を迅速に作るために、自社の強みを最大化しつつ、自社がカバーできない領域は、オープンイノベーション(他社との連携・協業:アライアンス)のやり方で乗り切ってきました。

オープンイノベーションのやり方は、水平分業方式です。このやり方には、アライアンスだけでなく、M&Aの手法も含まれます。

トヨタは、自動運転機能付EVの開発・実用化にこのオープンイノベーションのやり方を積極的に取り入れています。

本日の記事にあります、共同組織「オートノマス・ビークル・コンピューティング・コンソーシアム(AVCC)」をGMと共同で構築・運営するやり方も、その一つになります。

次世代自動車の開発・実用化の動きで、米大手IT企業との競争に打ち勝つための、ライバル企業同士のオープンイノベーションのやり方になります。

トヨタは、このAVCCも含めてのオープンイノベーションのやり方に加えて、様々な開発・実用化を実現するための巨額投資を行っています。

トヨタが現在行っている今後1~3年間の様々な対応は、将来のトヨタの事業展開に大きな影響を与えます。

トヨタのオープンイノベーションのやり方は、新規事業を立ち上げるベンチャー・中小企業にとって、大きな参考事例になります。

この視点から、トヨタの今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム