- 中野 博
- 株式会社エコライフ研究所 代表取締役
- 埼玉県
- 経営コンサルタント
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
「あーいい風呂だった。」
「はい、ビール。」
「いやー、うまい!この一杯がたまんないよー。」(笑)
「ねー、あなた、今日ね、大樹の友達が2人来て、インターネットでエコリフォームできる会社とか検索して盛り上がっていたわよ。」
「お、エコリフォームという言葉も市民権をえたものだなー」
「最近、家を建てたばかりの拓也君まで興味を持っちゃったみたいで、なんだか複雑な心境だわ。」
「うーん、そうだね。あそこのお父さんは大会社の課長さんで、家の事なんか考えている時間がなかっただろうし、いちいち健康のことや環境のことまで考えないだろうからなー。」
「パパ、僕の友達はみんなこの家みたいな家に住みたいって言うんだけど、どうしてパパはこういう家にしたの?」
「そうだね、大樹も6年生になったから、少し詳しく教えてあげよう。その前にひとつ質問するよ。この家と前の家の違いはわかるかい?」
「前の家は普通の家だけど、今の家は木の家で、えーと。」
「まだ大樹には難しいかな?ママはわかるかい。」
「パパが何度も教えてくれたから、わかるわよ。この家は自然素材でできていて、結露も起こらないし、空気もきれいで癒される家でしょ。前の家は、よくある家だけど、こんなに気持ちいい空間じゃなかったわ。」
「そうだね、でも、僕が一番考えたのは、実は違うんだ。もっと先まで考えてこの家を建てたんだ。」
「パパ、もっと先っていつ?何で?」
「いいかい大樹、大樹は今小学校6年生で12歳だね、パパは今40歳だ。たぶん、あと20年くらいしたら、仕事をしていないかもしれない。その頃は、大樹は32歳くらいで、もう誰かのパパになっている年齢だよね。」
「そうだね、パパは仕事をやめたらどうするの?」
「うん、まだ決めていないけど、もしかすると、早く会社をやめて自分で仕事を始めるかもしれないし、定年退職まで会社勤めしたら、何かボランティアをしているかもしれないし、パパも正直言って自分の20年後の姿はわからない。」