日経記事;『LINE、文章理解などAI技術を開放 自社基盤の拡大狙う』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;『LINE、文章理解などAI技術を開放 自社基盤の拡大狙う』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

12月30日付の日経新聞に、『LINE、文章理解などAI技術を開放 自社基盤の拡大狙う』のタイトルで記事が掲載されました。

本記事の冒頭部分は以下の通りです。
『LINEは自社開発の人工知能(AI)技術を外部に有償で開放する。対話アプリやAIスピーカーで培った技術で、文章を理解するなどの活用ができる。AI技術は米グーグルなども外部開放している。LINEは技術を企業や技術者に普及させ、サービスの幅を広げる。AIの利用を増やし、言語理解能力などの性能向上にもつなげる。米IT(情報技術)大手を追う。。。』

インターネット検索エンジンの普及実用化による広告宣伝ビジネス、インターネット通販ビジネス、スマートフォンなどの電子端末機器の普及によるアプリケーションソフトなどの提供ビジネスなど、グーグル、アマゾン、アップルなどの米大手IT企業が仕掛けているビジネスモデルは、すべて当該事業領域のプラットフォームを構築・維持・拡大することで、高収益化を実現しています。

このプラットフォームを実現し、差別化・差異化を図る原動力になるのが、個人や企業など、このプラットフォームを活用する人たちの個人データになります。

特に現在の上記プラットフォームは、機械学習や深層学習などの人工知能技術(AI)を取り入れており、これらのAIは、データが入力されなければ、言わば魂のない仏様みたいなものになります。

AIは、個人や企業が数多く使用するほど、データ蓄積・活用が実現して、「賢く」なります。

このため、グーグルやアマゾンは、自社のAIプラットフォームをより一層、多くの個人や企業に使ってもらうために、いろいろな仕掛けや仕組み作りをしています。

これらのプラットフォーマーは、短期的には利益がでなくても、中長期的なレンジで事業展開を考えて、自社のプラットフォームを無償もしくは、低コストで提供しています。

このやり方が、一般的にオープンイノベーションのやり方と言われています。オープンイノベーションのやり方は、上下関係ではなく、水平的な位置関係で、お互いに「Win/Win」となるように行います。

米大手IT企業が、自社のプラットフォームを無償もしくは低コストで提供するのは、このプラットフォームを多くの人や企業に使ってもらうことで、自社のAIプラットフォームを賢くするとともに、個人生活や企業の事業活動において、必要不可欠なものする狙いがあります。

このプラットフォームを強化するためのオープンイノベーションのやり方は、何も米大手IT企業の専売特許ではありません。

本日の記事にありますLINEが、自社開発の人工知能(AI)技術を外部に有償で開放するやり方も、グーグルやアマゾンとまったく同じ効果を期待して行うことになります。

LINEは、自社のAIプラットフォームを賢くすることと並行して、当該プラットフォームの使用領域を拡大させる狙いを、当然のごとくもっています。

LINE以外に、国内の有力なAIベンチャーである株式会社Preferred Networks(プリファードネットワークス、PFN)は、オープンソースの深層学習フレームワークChainer(チェイナー);AIを、2015年以降オープンソース公開しています。

PFNのWebサイトには、「Chainerの開発は、外部コントリビュータの開発成果を数多く取り入れています。PFNは今後も、最新の深層学習研究の成果を迅速に取り入れ、サポート企業やOSSコミュニティと連携しながらChainerの開発・普及を推進してまいります。」と書かれています。

PFNは、外部事業者の開発・実用化ノウハウをオープンイノベーションのやり方で、取り入れ・共有化することで、Chainerの開発・実用化を加速化させています。

このダイナミズムが、オープンイノベーションのやり方の真骨頂の一つになります。

今後、国内企業の中から、PFNやLINEなどのように、積極的にオープンイノベーションのやり方を取り入れて、水平分業方式のやり方で、高度な技術やノウハウ・データを実用化・蓄積するIT企業が生まれることを期待します。

特に、今後、LINEがオープンイノベーションのやり方を取り入れて、自社のAIプラットフォームを賢くする動きを加速化させていくか、今後のIT企業の良い参考事例となる期待を含めて注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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