居室の窓は、なぜ南側がいいの = 窓の明るさ - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

森岡 篤
有限会社パルティータ 代表
建築家

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対象:住宅設計・構造

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居室の窓は、なぜ南側がいいの = 窓の明るさ

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住宅の常識を問い直せ
前回は、主に夏場の太陽による熱負荷による影響が、窓の方位によって、どのように変わるかをお伝えしました。

今回は、窓の明るについてです。

南側の窓は明るく、北側の窓は暗いように言われていますが、実際はどうなのでしょうか。

窓の明るさは、「窓自体の明るさ」と、「窓から入った太陽光の反射による明るさ」の2種類に分けられます。


窓自体の明るさ


窓ガラスが透明か窓を開けた状態を考えます。
窓の明るさは、部屋の中から見て、窓の先に何が見えるかで決まることになります。

窓から空が見えるとすると、方位によって空の明るさが変わるわけではないので、どの方位でも明るさは変わりません。

窓の前に建物がある場合、建物からの反射光によって、窓からの明るさが決まります。
南側窓から見える建物は日が当たらない北側なので、日の当たる建物が見える北側窓よりむしろ暗くなります。

建物以外の風景も太陽の反射の程度によるので、窓自体の明るさは、方位にほとんど関係なく、南窓が明るいとは限りません。


窓から入った太陽光の反射


窓から室内に太陽光が入り込む場合、直接日が当たる所は、当たらない部分と比べ、非常に明るくなります(当然です)。

日が当たる所からの反射光によって、日が当たらない部分は明るくなりますが、どの位明るくなるかは、日が当たった部分の反射率:色によります。
日が当たった部分が白系の反射率の高い色なら、部屋が明るくなりますが、黒系なら余り反射しないので明るくなりません。

レースのカーテンは、レースに日が当たり反射して明るくなります。

ブラインドは、スラットで反射光向きを調整して、部屋の明るさをコントロールすることができます。

南側窓に庇があると、夏は窓からには直接日が当たらないので、南側も北側も条件は変わりません。

西側で、日射コントロールで外ブラインドを閉じると、北面より暗くなってしまいます。


このように、窓からの明るさは、太陽光が入るかどうか、太陽光をどのようにコントロールするかによるのであって、
南側は明るい
北側は暗い
ということではありません。

<続く>