社長たちの成功学 7人のリアル島耕作 - 経営戦略・事業ビジョン - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

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閲覧数順 2024年04月26日更新

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社長たちの成功学 7人のリアル島耕作

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雑感 書評
今年6月、日本一有名なサラリーマンと言われた島耕作氏が
初芝五洋ホールディングスの初代社長に就任した。
就任が決まった時には、マスコミ各社で報道され、
社長就任会見まで行われたという。

弘兼憲史氏のマンガのキャラクターに過ぎなかったはずの島耕作は、
虚像のまま、マンガの世界から飛び出してしまったようである。

本書「社長たちの成功学 7人のリアル島耕作」
弘兼憲史&モーニング編集部編 講談社2008年11月

は、モーニング誌で現在連載中の「社長 島耕作」の連載スタートに当たり、
モーニング誌に掲載された、弘兼氏との社長対談をまとめたものである。

登場するのは、以下の7名(敬称は対談当時)

渡辺美樹(ワタミ株式会社代表取締役社長・CEO)
新浪剛史(株式会社ローソン代表取締役社長・CEO)
益子修(三菱自動車工業株式会社代表取締役社長)
木村芳幸(東芝燃料電池システム株式会社代表取締役社長)
佐治信忠(サントリー株式会社代表取締役社長)
勝俣恒久(東京電力株式会社代表取締役社長)
藤田晋(株式会社サーバーエージェント代表取締役社長)

対談のスタンスとして、これから社長に就任する島耕作氏に
先輩の社長としてアドバイスを、という視点で行われており、
この厳しい時代に、実際、経営に当たられている社長様や
これから起業を考えていらっしゃる方には、
大いに参考になるのではないでしょうか。

例えば、

「まずは、会社の思いを伝えることです。何のために
この会社があるのか、何のために仕事をするのか。
その「何のため」というミッションを明確にして、
全員がひとつのベクトルに向かうことです。」(渡辺氏15ページ)
「次に大事なのは、向かう先はどこなのかというビジョンを
明確にすることですね。(略)そのためにはこうしたらできる
という方法、戦略を社員に語りつづけました。」(渡辺氏16ページ)

「島社長に気をつけてほしいのは、どんな経営上の大改革で
あっても、現場にいる人達のことを忘れてはならない、
ということです。」(益子氏58ページ)

「私がみんなの前でよくいうのは「会社としてソフトパワーを
持ちなさい」ということです。ソフトパワーというのは
会社側から見ればブランド力ということになるのでしょうが、
そうではなくて、お客様や納入業者さんからみた時に、
あの会社の人間はいつも一生懸命やっている、きちんと
約束は守る、明るく議論しながら目標にむかってやっている
気持ちのいい会社だなと思ってもらえる。
そういう会社になろうよと。」(木村氏86ページ)

佐治氏のように社長という激務に耐えるためには、自分の時間を
作らなければ、という話が出てくることもあり、
実際に現役の社長としてバリバリに活躍している方が、
経済誌ではなく、マンガ雑誌という気楽さからか、
結構、本音の話が聞けた気がします。

そういう意味でも、一読をオススメします。
新書版ですから、持ち歩きにも便利ですしね。