(※前回の続き)
【質問者様からの返信】
大園様
丁寧なご回答ありがとうございます。
よく、自分のレベルに見合った人と出会うといいますもんね。
私はなぜかいつも若干影のある人だったり、可哀想な人を好きになるといったところがあり、ネットとかで見ると、罪悪感を癒すというのがキーワードとして出てきます。正直罪悪感なんて持ってるつもりはないのですが、罪悪感を癒すって何をしたらいいのかわからないんです。
質問ばかりで恐縮ですが、この罪悪感を癒すって、大園様的見解教えて頂けますか?
【大園エリカの返信】
自分の中に罪悪感があるとしたら、どんな事が考えられますか?
大園エリカ
【質問者様からの返信】
大園様
ぱっと、思いつくのがないんです。なので??がいっぱいでした。
ただ、幼い時から父母がよく喧嘩してたのでそれが若干影響してるのかなとは思います。
私の意識的のなかでは、自分が悪いみたいな罪悪感はないです。
【大園エリカの返信】
きっと貴女様は根が明るくポジティブで強い方なのでしょう。
素晴らしい資質をお持ちですね。
只、子供の頃に本当は自分の魂が凄く傷付いていたけれど、大人になった現在の自分の顕在意識に上らないトラウマというのも人間にはありますからね。
本人に罪悪感の自覚が無い場合の方が解決が難しいケースが多いのではないかと思います。
本人が罪悪感に付いて自覚が無い場合は、色々なお話しを深くじっくりお聞きしないとその方の根に存在するものを正しく掴めないという事があります。
それとは別に、現在自分の心がモヤモヤされているものはどの様なものですか?
彼への思いが吹っ切れていない未練なのか、それとも???
大園エリカ
【質問者様からの返信】
罪悪感。再度考えてみました。
(※ここで相談者様から子供の頃のプライベートなご家族との関係などに付いてのお話しをお聞き致しましたが、プライバシーに関わる事なので詳しい内容はここでは伏せさせて頂きます)
今抱いているモヤモヤは。。
前の彼とは、ズルズルと何度か会ってたのもあり、未練と執着でいっぱいな気がします。(今は彼に彼女が出来たので会ってません)ただ、彼は一般にいういい人間ではないのに、どうして執着したちゃうんだろうという自分がいます。
彼に変わってほしいという自分にも執着してる気がします。人を変えれないというのは今では頭では分かってます!そして、わたしが好きになる人もいつもなんだか問題ある人なので私はそこを変えていきたいと思ってるんです。
会ったことのない大園様にいきなりこんな事書いてすいません!
【大園エリカの返信】
いいえ。
むしろこの様なお話しをじっくり時間をかけてお聞きしてみないと辿り着かない事があります。
今回伺った生い立ちから私が考えられる事ですが…。
「罪悪感が自分の中ではピンと来ない」と仰る理由が良く理解できます。
ですので「罪悪感」という言葉からちょっと離れて考えると良いかもしれません。
私が思うに、父方の方に妹さんが可愛がられたという事で無意識に「父から愛されていない」「父から愛されたい」という思いがあり、そのコンプレックス(不満、或いは凄く寂しい思い)が妹さんへの激しい対抗意識を生んでいたと捉える事ができます。
今回のお話しの中ではお母様や母方のご家族との関係が書かれていないので、あくまでも私の憶測になりますが、貴女様が根にお持ちの "物事をポジティブに捉えられる資質" は「自分は愛されている」というものも同時に自分の中に在るから持てた資質ではないかと感じます。
でも父や父方の家族には(少なくとも妹の様に)自分は愛されていない=受け入れられていないという思いがどこかに在って、その「自分がどこかで否定されている」と感じてしまったものが心の傷になってしまっているのかもしれません。
感じ方には性格が出ますので、それを「コンプレックスから来る嫉妬心」という風に自分で自覚できる方と、「私は母方には愛されているんだから!」と自分を慰めて本音の思いを自分では無かった事にして無意識に自分を誤魔化してしまう方がいる様に思います。
貴女様のメールの中ではいつも「肯定感に繋がる」という事を頻繁に表現されるというのがありますが、それは「否定されているという事を認めたくない」という思いから無意識に拘ってしまっているからではないかと感じます。
ですので恋愛では、そこの自分の中で解消できていない思いが反映されているのではないかと思います。
どこか陰のある人に惹かれてしまうというのは、自分の中の陰から目を背けている部分を相手があぶり出してくれているのかもしれません。
そして依存心の強い"構ってちゃん"を「私が面倒みてあげなくちゃ!」という気持ちで受け入れてしまう部分は、貴女様がお父様からもらいたかったものであるという事です。
つまり"構ってちゃん"は「父からもっと構ってもらいたかった」という自分自身の姿であると捉える事ができます。
大園エリカ
【質問者様からの返信】
返信ありがとうございます。父からうーんと愛されたいという思い。大園様のおっしゃる通りだと思います。なぜか、母親からの愛はそんなに気にならないです。笑。もうあるって分かってるんでしょうね。
私ポジティブですか?そう言って頂けるとありがたいですが、今でもネチネチウジウジしてます。笑
罪悪感から離れて考えるといいんですね。ネットの情報でよくわかんなくなってました。
考え出すとよくわかんなくなりますね。
父親の職業柄不在が多かったせいか母親自身が祖母としょっちゅう連絡とっていて、何か問題や不満があるとそれを父にではなく祖母に持って行っててそして、祖母から父に連絡入ったりするのがすごく不満みたいでした。お互いが向き合えてなかったんでしょうね。母親も祖母に依存してたのかもです。
私がよく、肯定感という言葉に繋げるのは、自分にはそれが足りてない気がするから、私にとっての全ての問題の基本はそこかなと。ただ頭で分かってても思うようにいかない時もありますね。
どちらかというと、私の場合はコンプレックスからくる嫉妬心という自覚です。
私は父親に好きな事をさせてもらったり、今では私の事をうーんと大切に思ってくれてるのはわかります。只、恋愛においてはまだ子供の私が顔を出すのだと思います。
影のある人に惹かれるのは、私が勝手に影のある人と思ってるだけでしょうか?
自分が満たされていくと、健全な人に惹かれるようになりますか?
【大園エリカの返信】
大分確信に近付いて参りましたね?(笑)
「私ポジティブですか?そう言って頂けるとありがたいですが、今でもネチネチウジウジしてます。笑」
そうですね~、正直で良いです。(笑)
ポジティブな資質と表現させて頂いたのは「私って愛されていない人間なんだ…」と落ち込むネガティブタイプと、「私だって愛されているんだから!」とポジティブに開き直り相手に対抗心を燃やすタイプという事で分かり易くお伝えしたというのがあります。
今回の解説でお分かり頂けたかと思いますが、どちらも問題の根は同じなのですが表面に出て来るものが性格により違う出方になるという事ですね。
もっと深い観方をすれば、どちらもその裏に表裏一体に真反対のものが在る訳ですから、結局ポジもネガも無いという事でもあります(要は不満という怒りを自分の内に向けるか、他者に向けるかの違いだけです)が、
怒りを外に向けるタイプの方はエネルギーが強い方が多く、それは生命力にも通じる強さにもなるので素晴らしい資質と表現させて頂きました。
その様な方が自分自身に気付き、自分の中のエネルギーを良い方向に向ければ色々な事を成し遂げられる可能性を秘めているという事にも繋がりますからね。
表面を明るく善い人に見せようと振る舞う人ほど、実は内面がとても暗いという事は良くありますよね?(人間は外面は良く見せようとエエかっこしいを致しますからねぇ!笑)
逆から言ったら自分のネガティブを正直に自分で見つめられる人は、一見表面は明るく見えない場合でも、自分で認めている分、心の中はそんなにグジグジしていないという事もありますから、人間は一見した所では良く分からないものでもあるのです。
(『一見仏頂面をしている様な人が、心の中では喜びとか平安を感じているという事もありますよ』と、以前江原啓之さんがテレビで仰っていた事が思い出されます。彼は人間の深い所を透視できる稀なお一人ではないかと私は思います)
ご両親の「間に人を介入させてコミュニケーションを取る=直接のコミュニケーションを怖れている」というのは、特に依存心の強い日本人の方達の多くが、大の大人であっても取られる姑息な手段ですが(笑)、依存心の強い人間ほど「それが角が立たない知恵」と勘違いしているという悪い癖があるのです。
そういう事をするから良からぬ憶測や誤解が生まれ、結果もっとグチャグチャするという事実が見えなくなるのは、根底にいつも「自分から逃げたい」思いを持つ方達の特徴でもあります。
いざと言う時、間に人を入れておけば責任転嫁ができて自分から逃げられますからね~。
でもこれって自分の保身ばかり考えていて、そこに相手への「愛」は不在です。
「コンプレックスからくる嫉妬心という自覚」&「恋愛においてはまだ子供の私が顔を出す」
お見事です!ご自分をキチンと分析なさっています。
問題の根は未だ解消し切れていないご自分の「不満という怒り」に在るという事が少し理解できましたか?
「怒り」にも色々な種類がありますが、「罪悪感」は自分を責めるもの、「嫉妬心」や「競争意識」は他者を責めるものの違いだけで根は同じです。
「影のある人に惹かれるのは、私が勝手に影のある人と思ってるだけでしょうか?」
私達は自分の心を相手に投影して人を見る癖があります。
ですから相手の何を引き出すのか?というのはご自分が相手のどこにスポットを当てて見るのか、どこにフォーカスするのか?という事に繋がります。
その様に考えると、自分が「陰を感じる人」は、自分が相手の陰の部分を引き出してしまっているとも言える訳ですからね。
「自分が満たされていくと、健全な人に惹かれるようになりますか?」
この思いの裏にあるのは「もう恋愛で傷つきたくない」という思いですね。
それだけ恋愛では、とても傷付いてしまったご自分がいるという事なのです。
でも思い出して下さい。
「傷付きたくない」という事を願う事は「傷付いた自分」という意識から生まれたものなので、その意識が在る限り宇宙は「傷付ける相手」を自分に与えて来るという事をです。
ですので発想を変え、別の角度から恋愛に付いて分析する事も大事になります。
相手に心底感謝を持てて相手の幸せを心から願える「愛」を持てた時には、宇宙はそういうお相手をプレゼントして下さるかもしれません。
大園エリカ
【質問者様からの返信】
「問題の根は未だ解消し切れていない『不満という怒り』に在るという事が少し理解できましたか?」
はい。分かります!ここが前にお話して頂いた自己肯定感の部分かと。大人の自分がその頃の父母への理解を示してあげて。。それが必要なんでしょうね。
自己肯定感は人より欠けてるせいか、頭では分かっていても、実践するのは至難の技ですね。
嫉妬心も罪悪感も同じなんですね。
「影のある人に惹かれるのは、私が勝手に影のある人と思ってるだけでしょうか?」の質問に書いて頂いてる "自分が相手の影の部分を引き出す" という所、
これよくわかります。だから、最初にさせて頂いた、依存ってうつるんですかの質問に繋がった気がします。自分が変わったら相手の見るポイントも変わるんでしょうね。そして、場合によっては、可哀想な人→だらしない人みたいに変化するのかも。
そうなんです。私はもう恋愛で傷つきたくないし、楽しい恋愛にしたいなぁと思ってます。その為に今もがいてる感じです。
今は、ウキウキワクワクできて、自分がすごく自然体でいれる恋愛がいいなぁと思ってます。これって、別の角度からの恋愛分析になりますか?
彼と私はきっと根本は似てて、すっごく成長できる関係かなと思ってました。でも、一方が成長したいと思わないと完結しないので、そこはもう放っておくというのが私の愛な気がします。
【大園エリカの返信】
うんうん、いい感じ♪(笑)
これだけご自分を冷静にとことん分析される知性と忍耐力から、物凄く「自分を変えたい」「同じ事の繰り返しはもう嫌だ」と本気で感じられておられるのが伝わって参ります。
「自己肯定感は人より欠けてるせいか、頭では分かっていても、実践するのは至難の技ですね」
本当にそうですね。それは私も四苦八苦しながら今に至っている部分がありますから、感じていらっしゃる事はとても良く理解できます。
「嫉妬心も罪悪感も同じなんですね」
そうです。どちらも「怒り」のカテゴリーに入ります。
ちなみに"傷付く"という事に関しては、初期のコラム「傷付くという感覚」①~④(2014.7.8.~)に書かせて頂いておりますので、読んでみて下さい。
相手に期待してしまう自分がいるから傷付く= 自分の願望というエゴから自分が妄想した相手を見ていて、真実の相手を見ていないから傷付く訳が、更に深く理解できるのではないかと思います。
「今は、ウキウキワクワクできて、自分がすごく自然体でいれる恋愛がいいなぁと思ってます。これって、別の角度からの恋愛分析になりますか?」
そうですね。まずは恋愛という事を抜きにして「独りでも充実して満ち足りた時間を過ごせる様な自分になる」と、新しいパターンの恋愛に繋がるのではないかと思います。
お互いがその様に「独りでも楽しめる」自立した者同士の恋愛は、最高の関係が築けると私は思います。
「彼と私はきっと根本は似てて、すっごく成長できる関係かなと思ってました。でも、一方が成長したいと思わないと完結しないので、そこはもう放っておくというのが私の愛な気がします」
そうですね。相手には相手の意思がありますから、それを尊重でき、尚且つ「自分は関わらなくとも相手が幸せならばそれで良い」と、頭では無くハートから思える様になれれば本物です。
大園エリカ
【質問者様からの返信】
色々なご意見ありがとうございます。
「傷付くという感覚」のコラムも見させて頂きますね。
今回こうやってやり取りさせて頂いたり、色々教えて頂いたりして、色々私の中でも整理できた気がします。あとは、私が色んな経験を経て実践するのみ。ですね。
今後はもっとウキウキする感覚で物事を選択して行きたいです。そしたら相手に何も求めないのかもですね。
【大園エリカの返信】
恋愛って喜びも与えてくれるけれども、ケースによっては体中が痛むほどの苦しい思いになる事もありますね。
仏教ではそれを「渇愛」と表現し、煩悩の一つと捉えるのですが、頭で分かっていても人間には情というものが有りますから、苦しいものは苦しい。(笑)
でもそこから逃げずにそうした自分の感情を味わい尽くす方が早く解決に向かうので、今貴女様がおやりになっている自分の中を内観される作業は、非常に良い方向にあると私は感じています。
失恋の傷が癒えるまで自分の感情に素直になって、自分の中にいっぱいあるドロドログチャグチャしたものを正直に感じ尽くした方が、早く傷が癒えますから。
きっと今が一番苦しい時期かもしれませんが、峠を越えてしまえば「あの執着は何だったのだろう?」と笑顔になれる日が必ず来ます。
そこに来れた時、一回り大きな人間になっているご自分に出会える事でしょう。
これから向かう方向が定まったら焦らずゆっくり、でも確実に歩みを進めて行けますから大丈夫です。
来年が良き年になります様にお祈りしております。
又迷路に入り込んでしまった時など、相談されたい時がございましたら遠慮なくどうぞ♪
ありがとうございました。
大園エリカ
以上が、今回のご相談者様とのやり取りでございました。
彼女は今、失恋の痛みに耐えていらっしゃる時期ですが、彼女の「自分から逃げない姿勢」は立派だなぁ!と感じさせて頂きました。
とても知性的な方ですから、最終的にはご自分でキチンと答えを出して行ける方でもあると私は感じます。
そして今回もこうしてコラムに書かせて頂けた事に感謝致します。
☆_(_☆_)_☆
こちらも小道具として舞台で使用していた愛らしい小バラ達。
いつもはベランダにいるウサギちゃんが、今回の写真に華を添えます♫
(*^^*) ~ ♡
今日で2015年が終わるのですね~~~。(何か早ッ!笑)
私に取って今年は、全ての環境がガラリと変化した激動の年でもありましたし、未だ且つてない平穏を自分の中に感じられた貴重な年でもありました。
(*^^*) ~ ✿✿✿
今年一年、私のコラムを読んで下さった方々へも感謝を申し上げます。
皆様に取りまして来年が善き年となられます事をお祈りし、今年のコラムの締めとさせて頂きます♫
2015 大晦日の朝
感謝を込めて…♡ ♡ ♡
♡_(_♡_)_♡
大園エリカ
このコラムの執筆専門家
- 大園 エリカ
- (東京都 / クラシックバレエ教師・振付家)
- 舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
natural & elegance
長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年