正しい断熱の方法とは? - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

野平 史彦
株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
千葉県
建築家
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正しい断熱の方法とは?

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これからの家づくりの視点 家の造り手の殆どが正しい断熱の方法を知らない?
あなたはご存知でしょうか、設計者の多くが正しい断熱の方法をきちんと理解していないことを

 以前、首都圏の木造住宅を得意とする設計事務所10社ほどを集めて、研究会を開いた時のことです。

そこで私は、これからの住宅断熱の考え方についての講義を受け持ったのですが、講義の前に、現在実際に行っている断熱方法について、皆に外壁の断面構成を図にしてもらいました。

その時分かったのは、9割がたの設計者が正しい断熱の方法を分かっていない、という事実でした。

 ここで言う“正しい断熱の方法”とは、内部結露の危険性の少ない断熱の方法のことです。

 内部結露(壁内結露とも言います)とは、室内で発生した水蒸気が外壁内に侵入し、冷たい外気に触れてそこで結露を起こすことです。

 内部結露は構造体である柱・梁・土台を腐食させ、家自体の寿命を縮めると共に、カビやダニを発生させ、住む人の健康を脅かすことになりますから、内部結露を起こさない様にする、ということは木造住宅にとっては最も基本的で、重要なことなのです。

 関東など、いわゆるIV地域において、内部結露を起こさない壁をつくる方法は2つあります。

ひとつは、高気密・高断熱工法で、水蒸気を断熱材の入った壁体内に侵入させない方法です。

もうひとつは、透湿抵抗理論に基づいて内部結露を起こす前に、透湿してしまう方法です。

 しかし、殆どの設計者・施工者はこの2つの方法について全く理解していませんし、気にもしていません。

 確かにそれでも25年〜30年、家は保つし、その頃には責任を問われることもありませんから、気にする設計者や施工者はいないのかもしれません。

 新建材によるVOC問題で化学物質過敏症対策は進みましたが、家が原因の病気として始めて取り上げられたシックハウス問題の原因であるダニやカビについては、実は、未だに無頓着に放置されているのが現状なのです。

 自然素材で健康をアピールしている設計者や施工者の殆どが、最も基本的な結露とダニ・カビの問題を理解していないのです。