年俸制の誤解 (6) - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

後藤 義弘
代表取締役
社会保険労務士

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年04月24日更新

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年俸制の誤解 (6)

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Q&A番外編 報酬・年俸制
(前コラムよりの続き)

現在労働基準法において、労働時間規制の適用を除外できる対象は主に以下の制度ですが

 (1) 管理職等に対する適用除外制度
 (2) 裁量労働制

(1)については、「深夜業」が排除の対象となっておらず、管理職であっても深夜業に対する手当を支給する義務が残ります。 (2)についても除外対象は1日の労働時間のみであり休日・深夜の時間外手当てについては一般従業員と同じく支払義務が残り、適用できる職種や業務に制限があるという限界を持っています。

(1)の場合一般に「深夜業」に対応する割増賃金をあらかじめ基本給や管理職手当等に含め運用し、労働時間規制の排除を図るケースが多く見られますが、これも実際には深夜業に対する手当が何時間分に相当するものなのかを明確に区分できるようにしておかなければならず、その時間をオーバーすればやはり原則に立ち返り割増賃金の支払義務が出てくることとなり、やはり労働時間と報酬を完全に切り離すことができない限界にぶつかります。

では現在年俸制という報酬体系がなじむのはどんな従業員なのでしょうか?

 ・ 高度の専門性
 ・ 広範な裁量性
 ・ 成果と報酬との明確な連動性
 ・ 成果に見合う処遇(高額の報酬)等
  
(例) 金融機関の為替ディーラー

現状の法体系を考えるとその射程は未だ限定的と言わざるをえません。 実際この域までくると、「雇用(労働)契約」というよりはむしろ「請負」や「委任」という契約形態をとることが妥当とも思われるいわゆる「契約社員」的な専門的労務供給契約です。

(次コラムへ続く)


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