日本経済9月号 - ライフプラン・生涯設計 - 専門家プロファイル

山本 俊樹
インテグリティ株式会社 
ファイナンシャルプランナー

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対象:家計・ライフプラン

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閲覧数順 2024年04月26日更新

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日本経済9月号

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やさしい経済の話し 日本経済の話し

景気は明らかに後退局面に


このところ毎月見てきた政府の月例経済報告と景気動向指数であるが、いよいよはっきりとした景気後退のサインが出たようである。
8月の政府の月例経済報告では、景気の基調判断を下方修正し、「このところ弱含んでいる」と表現した。約5年ぶりに「回復」と言う言葉が消え、事実上景気が後退局面に入ったことを認めた。
一方、6月の景気動向指数は、一致指数が3ヶ月移動平均で見て低下傾向が続く中、月次でも前月比1.7ポイント低下したため、基調判断を「局面変化」から「悪化」に下方修正した。
このように、月例報告、景気動向指数共に景気後退局面入りを示したことになる。これに加えて最近での円高傾向からその減速度合いは速度を増しそうである。

注目された2008年4-6月期の実質GDP成長率は、ほぼ予想通りの前期比▲0.6%(同年率▲2.4%)となった。個人消費や住宅投資、公共投資を中心に国内需要が大幅に減少したことが一番の要因であった。また、これまでの牽引役であった輸出についても13四半期ぶりに減少に転じてしまった。
個人消費前期比▲0.5%と7四半期振りの減少、住宅投資は▲3.4%と大きく減少した。公共投資は▲5.2%の減少であった。

個人消費については、オリンピックを控えてのデジタル家電の好調さで耐久財は大幅に増加したが、衣料品やガソリンなどの落ち込みがそれ以上に大きかったようである。
住宅投資はマンション販売の低迷や鋼材価格の上昇などが影響しているものと見られる。

企業売上・収益環境は非常に厳しい


9月5日に発表された2008年4-6月期の法人企業統計調査の結果では、2期連続で減収減益となり、設備投資も5期連続で減少した。全産業の売上は前年比▲0.7%であったが、規模別で見ると中小企業が▲6.9%と大きく減少したが、大企業及び中堅企業はプラスであった。業種別では、石油・石炭が前年比+43.0%と大幅増収になったほか、価額や食品などの価格転嫁によって増収を確保した。
また、経常利益では、全産業で▲5.2%であったが、製造業が▲11.7%と大きく落ち込んでいる。規模別では、経常利益ベースでは大・中堅・中小共にマイナスであったが、中でも中堅企業が▲12.9%と最も大きな減少となっている。業種別にみると、半導体等の市況悪化により情報通信機械が前年比▲29.3%、円高や内外需用の悪化により一般機械が▲19.6%、輸送用機械▲9.0%、電気機械▲12.6%など加工分野の収益環境が極めて厳しい状況にある。
このように企業部門の売上・収益環境は極めて厳しい状況が続いている。

今後のリスク


さて、現在日本経済を取り巻く環境として注目しておくべきポイントは、
1.大きく動き出した為替市場・原油市場の動向⇒かなりボラティリティの高い荒れたマーケットで、円高の動きに注意、

2.福田首相の突然の退任による政局不安⇒上げ潮派といわれる財政均衡中心で積極的な景気対策がなされないと、景気後退局面は長引く、

3.サブプライム問題が終息に向うか⇒米国の公的資金投入により心理的には好転したかに見えるが、まだまだ予断は許さない状況が続いている、

4.オリンピック後の中国経済の動向⇒隠れた難題が山積、など不透明さが増しているというのが現状である。