「どうして出来ないの?」
と
「どうしたら出来ると思う?」
よく似ている言葉です。
しかし、この2つの疑問形には、2つの大きな違いがあります。
一つ目は、「ない」と「る」の違い。
「ない」は、否定をしています。
否定語は、聴く側にとっては、とてもネガティブな心理状態になる言葉です。
「る」は、肯定をしています。
肯定語は、聴く側にとっては、前向きなエネルギーが湧いてくる言葉です。
最初から「否定」をされていると、エネルギーは低下しますから、反省や分析をしようとしても気が重くなります。
すると、その反省は「言い訳」になるのです。
それが、たとえ「分析」であったとしても、その中にあるは「解決策」ではなく、失敗のためのレポートなのです。
同じ失敗を繰り返さないための役には立ちますが、成功させるための条件を満たしているわけではありません。
二つ目は、「て」と「たら」の違いです。
「て」は、「過去」「結果」を示しています。
出来なかった過去、結果を追求しています。
「たら」は、「未来」「仮説」を示しています。
出来るための条件を求めているのです。
もちろん、「未来」については、その解決方法はあくまでも「仮説」です。
しかし、たとえ「仮説」であっても、「未来」に向かっているわけですから前向きなのです。
前向きなエネルギーは、スタッフをやる気にさせます。
「やってやるぞ!」と言う気持ちにさせます。
このように、「どうして出来ないの?」と「どうしたら出来ると思う?」は、よく似ているようで、その言葉の影響力は、180度違うのです。
多くの人に、どちらを言われた方がやる気が出るかを聞いてみたところ、90%以上の人が、「どうしたら出来ると思う?」の方を選びました。
しかし、自分は、普段はどっちの方を言っていますか?と聞くと、半数以上が、「どうして出来ないの?」と言っていると答えました。
私たちは、本当に自分勝手ですよね。
言われたらうれしい言葉を言わずに、言われたくない言い方をしているのです。
困ったものです。
では、どうやったら「どうしたら出来ると思う?」の方をいつも言えるようになるのでしょうか?
ポイントはただひとつ。
「自分が言って欲しいこと」を言うようにする。
ただそれだけです。
これは、スタッフのやる気を引き出す基本中の基本のひとつです。
もっと、上級レベルの方法はありますが、まずは、この基本をしっかりと押さえるようにいたしましょう。
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