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怪奇恋愛作戦 1 理屈が説明されない話を、受け入れられるか?

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恋愛心理 自己受容
怪奇恋愛作戦
カフェのオーナーを夢見て会社を辞めた夏美(麻生久美子さん)が開店予定地へ行くと、既に「喫茶面影」という怪しい店が営業していた!

夏美はひょんな流れで、そのまま面影の店員として働くことに。

夏美の友人、音楽教師の秋子(坂井真紀さん)は生徒に女心を弄ばれ、女優志望の冬(緒川たまきさん)は上司と揉めてクビに…。

散々なアラフォー3人娘、加えて面影の女主人唄子(犬山イヌコ)、常連客眠山(西山惇・にしやままことさん)、夏美と友達以上恋人未満の刑事・三階堂(中村トオルさん)達に、次々と怪奇現象が襲いかかる。 

というナンセンスコメディです。

夏美や冬は、フランケンシュタインや、人の生気を吸い取り老人と化してしまう妖怪に命を狙われ、秋子は数百年か生きているヴァンパイアの教え子の少年に耽美的な恋をし、

三階堂は、戦時中に恋人を無くした美女の幽霊に惚れられ、あの世に連れて行かれそうになったり、

最後は、みんなで福引で当たった田舎の温泉宿に旅行に行ったら、いわくありげな温泉旅館で、その地域の昔からの因縁に巻き込まれ、全員神様の生贄にされそうになったり。



やたらチープな特撮だと思ったら、意外とお金がかかっていそうなCGが出てきたりとつぼを得た演出と、思いもしない豪華ゲストが真面目な顔して演技し、キャストみんなで小ネタ満載のギャグで笑わせてくれます。

原作・監督は演劇界では有名なケラリーノ・サンドロヴィッチさんです。




この時間帯の「ドラマ24」と言う枠は、視聴率にこだわらず、才能のあるクリエイターさん達が、自由に面白さを重視して作れることで、注目されているのだそうです。

従って質が高い(ある意味深夜枠だからこそ作れる癖のある)作品が多く、役者さんもギャラを度外視して、出演を希望する方が多いそうです。

役者さんも、下手にゴールデンになんか主役で出ると、視聴率のプレッシャーがのしかかってくるので、辛いのだそうです。


さて、このドラマ、面白いのでせっかくだからブログで紹介させて頂こうと思いながら、最終回まで何も書けません。
ナンセンスギャグと臨床心理の世界の融合点が何も見出せなかったのです。
まっそれも仕方ない。

ブログのことは置いておいて、純粋にドラマを楽しんでいました。

このブログを書くようになってから、ついただ純粋に楽しむことが出来ず、ブログネタとして理屈的に考えて観てしまうのは、辛いところです。
ところが、最終回まで観て、全体通して観て見るとこのドラマの作り、単にナンセンスなだけではなさそうです。

なるべくネタばれしないように書きますが、唐突に時間をさかのぼり、失敗をやり直せる装置が出てきたりします。しかもそれはあまりに唐突で、何のストーリーの絡みもなければ複線もなかったりします。

バカリズムさん監督のドラマ「素敵な選taxi」もそうでしたが、通常ありえない事が起こるようなストーリーの場合、荒唐無稽な中にも、一応理屈は通しておこうと言う気持ちが働いてしまうものかと思います。
つまりなぜこんな事が可能なのか、説明だけはしておこうという演出がなされているものです。

ちなみに「素敵な選taxi」では、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のように、過去にさかのぼることが出来る車に乗って、タクシー運転手をしている竹内豊さんが主人公です。

そのタクシーに乗り合わせた乗客たちが、人生の選択を誤ってしまった時点まで時間をさかのぼり、もう一度もうひとつの選択肢を選んで、やり直すと言うコメディーです。

一応説明すると「選択肢」と「選taxi」をかけているのですね。

でもなぜこの車が
「時間をさかのぼることが出来るのか?すごい発明なはずなのに」
という説明は一切ありません。
もう当たり前のように、そこにあるのです。


ファンタジー・SF・ホラーなど、不思議な、ありえないお話でも、一応理屈で説明し、さもありえるかもしれないお話として、説得力を持たせるものです。
理屈がでたらめだと、「何でもありじゃねぇか!ふざけるな!みたいになってしまいかねないのですね。
が、お笑いや面白さを追求するクリエイタ-さんは、そんな理屈など必要と思っていないかのように、かるく飛び越してしまえるところがすごいかも知れません。

ですから、観ているほうも、「理屈」で考えることを放棄してしまわなければ、こうしたドラマを楽しむことは出来ないかも知れません。

人は「わけがわからないものでも、理屈で説明してしてもらうと安心する」という心理があります。

実際の連続殺人事件など、自分には想像も出来ないような反社会的な事件が起こってしまうと、世間の人々は、なんでそんな事が起こってしまったのか理解できず、不安な気持ちになるものです。

そこで、その道の専門家やコメンテイターが、「心の闇に迫る」みたいなことを解説してくれて、それを聴いてなんとなく理解したような気になって「安心する」のですね。

わけのわからない事が、一番人を不安にするのですが、お笑いでは、理屈なんて無くても、それはそれで面白いのだなぁと知ることが出来ました。


本当は、
世の中、理屈なんて通らない事の方が、多いのではないでしょうか?
政治や世界情勢だって、もっともらしい理屈的説明はされたりしますが、
本当の真実なんて知ることが出来るのは、ほんの一握りかも知れません。



さて、そんな理屈抜きのドラマ、実は私達も日常的に観ているものです。

それは「夢」ですね。
夢と言うのは、本当に理屈がとおる展開にはなりませんし、観ている最中に「あれ、これは理屈が通らないぞ?おかしいな」なんて思うことも、普通はありません。
唐突に何が起こっても、ただ受け入れて体験しているはずです。



夢を見る達人になると、「おっ、これは理屈に合っていないなぁ。
さては今体験していることは夢なのだな」と夢であることがわかり、自分で、その続きの「夢のストーリー」を作ることが出来るといいます。
自分が「ここで、こういう展開になったらいいのに」と思って、その通りになる夢が見られたら、それこそ「夢のようなお話」を体験できそうですね。
カウンセリングでも「夢」を扱う事があります。相談者の方が、自分の夢から、自分の深層心理のしっぽを捕まえるのに役立つことがあるからです。

他人が見た夢の話って、聞いていても正直面白くないですよね。
おちもなければ、展開も荒唐無稽過ぎて、着いて行けないものです。
でも夢には深い意味があったりするのです。
また、今度、夢の話の続きを書いてみたいと思います。
続く


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