- 堀江 健一
- カウンセリングルーム エンパシィ 代表責任者
- 東京都
- 恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー
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問題のあるレストラン
副題に「怒れるすべての女性たちに」とあります。どんなドラマなのでしょうか?
世の中の女性をないがしろにしている男性達との間で、問題を抱えた女性たちが、そんな男達に対し宣戦布告をして、自分たちで理想のレストランを作り上げていくお話のようです。
正確には「心に問題を抱えたスタッフがいるレストラン」なわけです。
真木よう子さん扮する田中たま子は、外食産業の大手企業「ライクダイニングサービス」に勤めていました。
事の発端は、真木さんの会社の同僚であり、親友でもあったある女性が、男性社員のミスを押し付けられ、降格されて子会社に飛ばされるばかりか、重役会議の席で社長(杉本哲太さん)自らに「裸になって謝るのがうちの会社のしきたりだ」みたいなことを言われ、全裸になって謝罪させられてしまいます。
すべてを踏みにじられた彼女は、「非常に美味しいポトフのレシピ」を真木さんに託し、会社を辞め、行方不明になってしまいます。
真木さんはその「必殺のレシピ」を再現し、元いた会社が経営するレストラン「シンフォニック表参道店」に対抗する為に、すぐ目の前のビルの屋上に自分のレストラン「ビストロ・フー」を立ち上げる決心をします。
資金を出したレストランのオナーでもある真木よう子さんが中心になり、色々問題がありつつも才能がある女性たちを一人一人集めていきます。
その様はまるで現代風レストラン版「七人の侍」のようなストーリー展開です。狙っているんでしょうね、「ビストロ・フー」のメンバーもちょうど7人ですし。
対抗する会社の男性陣ですが、今時の会社でこんな会社あるんかい?と思うほどセクハラが横行している会社です。
平気で男性社員が女性社員のお尻を触りまくっています。まぁそこは置いておいたとして、仲間になっていく女性たちの抱える問題は、リアルで深刻です。
例えば、二階堂ふみさん演じる、元真木さんと同じ会社の後輩OLは、東大出身という学歴があるため、プライドが高く、一人前扱いされないとプライドが傷付いてしまいます。
そんなプライドのせいでつっぱってしまい、融通がきかず、対人関係も上手く行きませんし、高いプライドに反比例して、自己肯定感が低いため恋愛経験もないようです。
しかし数字には強い為、損益分岐点を即座に計算し、適正な仕入れ価格を算出したり出来ます。
また、そんな二階堂に対する「天敵」のような存在がいます。
「女はバカなふりして男にこびておけば良いのよ」と思って生きている、やはり元同僚の高畑充希さん演じる今時な感じのOLです。
しかし高畑さんはそのあまりの「自尊心」の低さから、男性からは「可愛い人形」「道具」のように扱われてしまい、でも傷付きたくないから、それを「当たり前のこと」「へいちゃら」と自分を誤魔化していましたが、ある事件をきっかけにそんな生き方に耐えられなくなってしまいます。
しかし抜群のサービス精神と臨機応変の対応能力の持ち主だったりします。
さて今回のブログで取り上げたいのは、「ライクダイニングサービス」の社長の娘であり、対人恐怖症の引き篭もりでありながら、なぜか料理の腕は一流なため、「ビストロ・フー」のシェフとなる松岡芙優さん演じる孤独な20歳の女性です。
ドラマの中で松岡さんのそれまでの人生が物語られるエピソードがあります。
社長である杉本さんは、経営者としての素質はありながら、家庭人としては最低で、浮気を繰り返し、それに耐え切れなくなった奥さんは離婚してしまいます。そんな家族3人が、開店したてのレストラン「シンフォニック」に集います。
父「ひさしぶりだな。どんな生活しているんだ?二人でうまくやっているのか?」
母「今は、私と娘は別々に暮らしているのよ。知らないだろうけど」
父「なんだそうなのか。お前(娘)は引き篭もりだったと思うけど、一人でやっていけるのか?」
娘「父さんは、私が引き篭もりになったと思っているみたいだけど、最初に引き篭もりになったのはお母さんの方なんだよ」
母「そう。私は心が壊れてしまって、3年間外に出る事も無く、ネットゲームばかりやっていたのよ。その間、毎日料理の本を見て、美味しい料理を食べさせてくれたのはこの娘なの。来る日も来る日も毎日欠かさずお料理してくれたわ」
父「そうなのか。何も知らなかったよ。僕は再婚して息子もいるから、一緒には暮らせないけど、また母娘で一緒に暮らせば良いじゃないか?パパも金ならあるぞ」
母「それはできないのよ、、、。今度私も再婚することになったから、、、」
娘「ほんと?知らなかった、、、。おめでとう、、、」
父「それはおめでとう。良かったじゃないか。お前(娘)も一人でやっていくのは大変だろう。
金なら出すぞ」
というようなやり取りを、父親は「株の取引」を携帯電話でしながらしています。
どうでしょう、お父さんのデリカシーのなさっぷりが少しは伝わったでしょうか?
娘である松岡さんは、本当は家族3人でまた暮らしたいと思っているのです。せめてお母さんとだけでも。しかしここでそんな夢は打ち砕かれ、彼女の孤独は「完成」してしまうことになってしまいます。もう家族の誰も自分を必要とはしてくれておらず、居場所も無くなってしまいました。
家族の気持ちを省みようとしないお父さん。
思いやりの言葉を投げかけてくれもしないお父さん。
稼いでお金だけ用意すれば良いと思っているお父さん。
ちょうど、先日カウンセリングをしたクライアントさんからも同じような話を聞きました。
娘であるクライアントさんは、家出までして家族に心情を訴えたかった事があったそうなのですが、そんな大切な家族会議の席で、お父さんはやはり携帯で「株の取引」をしながら
「こんな娘は勘当だな」
とぼそりと言ったそうです。とてもやるせない悲しい思いをされたことでしょう。
このような悲しい思いをされた方も結構おられる事かも知れません。
そしてそのようなお父さん(場合によってはお母さん)の様子を伺ってみると、
どうやらアスペルガー症候群の傾向があるのではないか?
と疑われる方が多いものです。
続く
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このコラムの執筆専門家
- 堀江 健一
- (東京都 / 恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー)
- カウンセリングルーム エンパシィ 代表責任者
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2021年公認心理師(国家資格)取得13年間で1万人以上の相談実績を基に、深く人を理解し心のもつれた糸を解きほぐします。恋愛が出来ない、自己否定感、人と接するのが怖い、夫婦間の亀裂など、人間関係全般、アスペルガーの方の社会適応などのご相談。
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