- 星 和美
- グレータープレゼンス 代表
- パーソナルコーチ
対象:コーチング
禅のお寺に写経に行ってきました。定期的に写経会をやっているお寺をたまたま近くに発見したので。
まずはじめに中に通されて目に付くのは廊下。磨き抜かれて大理石みたいな光沢があります。一事が万事と言いますが、それから目に入るあらゆるもの(ものはそんなに多くはないけど)は在るべき場所に、在るべきたたずまいで備え付けられていました。
高い天井の広い仏間に行くと、一人ひとりが文机に座り写経を開始。お手本の般若心経の上に紙を置いて、なぞるようにして書いていきます。うまくやろうとするより、心を込めてやること。←これ日常でいつも私が出くわすジレンマ。
最後に亡くなった人の戒名や願い事をしたためて奉納します。私はお作法を知らず、何を書いていいのか一瞬戸惑いました。配布されたマニュアルには無病息災、家内安全など「こんなのいかが」的な例が載っていましたが、どれも響かず。かと言って亡くなった身内の戒名も思い出せず。
そこで「心願成就」としたためました。願い事が叶うように、という意味で、私のクライアントさん全員の心願成就を込めました。ですが、その時湧いてきたのは「自分の心願って何?」という問いでした。
自分は何を本当に願っているんだろう?
その後、セットになっている点心供養というものに移行。これは単純に参加者みんなでお昼ご飯を食べることです。食事も修行の一環ということで、やはりお作法に従って頂きます。
全員着席すると、五観の偈という食事に感謝する文言を唱えます。
この食べ物が育ち、多くの人の手を介してここにあることに感謝しましょう
好き嫌いなく良薬としていただきましょう
怒りや不満の気持ちで食べるのはやめましょう
己の道を成し遂げるために食べましょう
というような内容です。
その中のひとつに、「あなたの行いはこの食事をとるのにふさわしい?」みたいな文言があって、私には『』がついているように聞こえてきます。
食事をするのにふさわしい行いって何?
ちなみに一つ一つの器に盛り付けられていたのは精進料理で、煮物や車麩のフライなど、大変おいしくいただきました。丁寧なしつらえも食べ物に対する敬意なのでしょう。
食事に使ったお寺の名前入りの箸を、記念に持ち帰っていいと言われたのは、「日常でもこの感覚を思い出しなさいね」というメッセージ。
解散してお寺を出てからも、内省モードフルスロットル。ひとり禅問答はしばらく続いていました。今、目の前にある箸袋にソフトフォーカスしながら、箸と一緒に持って帰ってきた問いを保温中。