その人は慢性的な便秘の人で、便秘の薬を常用しています。
しかし、よく話を聞くと、便秘の時だけはなく、便秘じゃない時
でも、なんとなく薬を飲んでしまっているそうです。
病気の中には薬が原因で病気が治り難くなっている場合があります。
薬は身体の外から入るものによって、強制的に症状を改善させていき
ます。本来身体自身が行うはずの行為を、薬によって強制的に行わせ
るのです。
症状が辛い時に薬を飲むのは良いのですが、そんなに辛く無い時に
飲んでしまうと、身体が「あ、自分はやらなくていいんだー」と
怠けだすのです。そうすると本来の治る力が働くなり、病気が治り
難くなってしまうのです。
東洋医学の古い本(1〜2世紀)に「神農本草経(しんのうほんぞ
うきょう)」という薬物に関する書物があります。
それには様々な薬が収録されていて、上薬、中薬、下薬の3種類に
分類されています。上薬は生命を養う薬、中薬は体力を養う薬、
下薬は病気の治療薬です。
下薬には次のように書かれています
「病気の治療薬で、有毒であり、長期間服用してはいけない」
2000年近く前の書物にも書かれているように、病気を治す薬は
病気を倒せるだけの「毒」を持っており、病気の時は必要ですが、
そんなに辛くない時には飲むべきではないのです。
皆さんも、もしなんとなく飲んでしまっている薬があったら、自分
の身体と相談し、もし減らしたり止めたりできるようであれば、
少しづず減らしていってみて下さい。身体の治る力が復活してくる
はずです。