「だって、少しぐらいビビらせるように、きつく言わないとあの子達はやってくれないんですよ!」
スタッフリーダーのAさんは、少しこわばった顔をしながら言いました。
彼女は、毎朝の朝礼で売上目標や前日の状況、お客様からのお叱りのアンケートのことなど、厳しい口調でスタッフに伝えています。その為、朝からさんざ叱られて、萎縮してしまったスタッフは、その後営業に入っても笑顔もなく淡々と作業を行うだけの仕事ぶりとなってしまいます。その為、それを見たお客様から再びお叱りを受けることになります。それをまたミーティングで叱るリーダー。悪循環が起きてしまっているのです。
店長は、何とかリーダーの口調や指導方法を変えさせたいとリーダーに依頼をしていますが、Aさんは一向にそれを改めようとはしないのです。そこで、私は彼女に、自分ではどういう意識や目的でそのような言い方をするのかについて尋ねてみました。
その答えが、冒頭の言葉。彼女は、主体的には動かないスタッフを指導するには、少し怖がらせるくらいのインパクトが必要だと考えていたのです。しかも、店長が求めるような、温和な言い方では、言う事なんか聞かないと信じ切っていたのです。
リーダーの本来の役割は、店長を助けてスタッフのやる気を引きだし、生産性を高め、さらにお客様に満足して頂けるような行動をうながすことです。彼女がやっているように、お客様からのクレームに対して、それが二度と起きないように、スタッフ厳しく指摘することは、一見、その目的に向かっての正しい行動のように見えます。しかし、いくら問題点を厳しく指導しても、スタッフがその気にならなければ、本質的な改善は出来ません。なぜ、その問題が起きたのかについて、その根本的な原因を一緒に改善することをしなくては、スタッフからすれば責任を押しつけられた気分にしかならないのです。
私は彼女に、さらに、その本来の目的について、どう考えているのかを尋ねました。すると彼女は、
「何でもかんでも私に、こうしろ、ああしろ、って言われても、そんな全部は出来ないですよ!だったら店長がやれば良いんです。」と、とうとうぶち切れてしまったのです。
私は彼女が落ち着いたところで、もう少し話を聴いてみました。
「私だって、一生懸命やっているんです。でも、スタッフ達は全然動かないんです。文句ばかりなんです。そんな彼らを動かすには、こう言う言い方しか無いじゃ無いですか!」
彼女は彼女なりに、スタッフの動かし方を工夫し、悩んできた上での行動だったのです。彼女も店を何とかしたいと考えているのです。しかし、考えた上での行動は、結果的にスタッフのやる気をそぐ言い方しか出来なかったのです。
結果的に、チームワークを乱してしまったり、スタッフのやる気をそいでしまったりするリーダーはたくさんいます。しかし、そのリーダー達は、決して、チームを混乱させたり、成績を落とさせようと考えたりしているわけではありません。自分なりに、これが正しい、と考えて行動しているのです。まさに、これが正しいやり方だと信じているのです。しかし、方法は間違っているのです。では、どうすればリーダーは、自分の方法が間違っていると言うことに気がつくのでしょうか?
こんな状態、つまり間違ったリーダーシップを発揮しているリーダーに、そのことを気づかせるには、そのリーダーに対する部下評価をすれば良いのです。つまり「360度評価」を実施するのです。それをデータとして冷静に本人に伝えるのです。本人は、その結果を認識し、反省し、そして、「○○を実現するために、自分は、○○が出来る様になる」とスタッフの前で宣言し、約束をすれば良いのです。これが最初のステップです。
では、明日は、この「360度評価」について、少しご紹介致しましょう。
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