第4章 裁判官はなぜ怒ったのか(19) - 刑事事件・犯罪全般 - 専門家プロファイル

羽柴 駿
番町法律事務所 
東京都
弁護士

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対象:刑事事件・犯罪

羽柴 駿
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(弁護士)
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閲覧数順 2016年12月02日更新

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第4章 裁判官はなぜ怒ったのか(19)

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(第19回)                  

 判決は予定通りの日時に言い渡されました。法廷で裁判官は被告人を前に立たせて、まず主文を読み上げました。

「被告人は無罪」

 被告人を着席させてから裁判官は理由を読み上げました。被害者の走行経路の詳細は不明であること、被害者がBさんが目撃した地点から走り出したとのBさんの証言は確定的なものとは認められないこと等弁護人の主張を認めてくれています。
 検察官の主張するとおり、被害者がBさんの目撃した地点から走り出したとすれば、その時の被害者はダンプカーの運転席から肉眼で視認出来たことになりますが、被害者がその地点よりもダンプカーに近い経路を進んだ可能性も否定できない、その場合は死角に入って見えない可能性もある、それでもアンダーミラーを使うか身を乗り出してみれば視認出来ただろうが、被害者に気づいていなかった被告人にそこまでの義務を要求することは出来ない、というのが無罪の理由でした。

 この判決は、ほぼ弁護人の主張通りの認定であり、私としても満足出来るものでした。出来ることならこの一審判決を確定させたいものですが、無罪判決に対しては検察官が控訴出来るので、どうなるかは2週間待たねばなりません。

 そして待つこと2週間。検察官に問い合わせてみると、控訴はしないとの返答であり、ここにめでたくY運転手の無罪判決が確定する事になりました。
                               (次回へ続く)