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大澤 眞知子
大澤 眞知子
(カナダ留学専門家・英語教育者)

閲覧数順 2016年12月03日更新

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自分で動機づけできる子供を育てるには

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Educational Psychology

受け身な日本の教育。
今の日本の教育では、子供の本当の能力を伸ばせないと思っている親たちがずいぶん多いと感じています。

では、どうしたら・・・。 そんな迷いからのこんなお問い合わせをいただきました。

 

「子供の本当の英語力を伸ばしたいと思っています。 どのような方法があるのか、また英語力と同時に社会へ興味をもち、自分の意見を持ち、それを発信できるようになってほしいです。 そのためには、子供自らが何かに興味を持ちその興味を追及するために本を読んでみようという意欲などが必要だと思います。

英語学習と自発的考えを持てる訓練を意味のあるものにするため、日本社会の中での受け身の生き方ではなく、自分の力で問題解決して行こうという気持ちにさせるためには親はどう関われるのでしょうか。」

 

非常に深い、そして難しい問題ですね。

特にこの受け身一辺倒の日本社会で、自発的な動機づけが出来る子供を育てることの難しさは、私自らも母親として非常に苦労した経験があります。

回答の前に、まず、発達心理学の見地から、次のような動機(Motivation)に関するTheory をご紹介したいと思います。

Self Motivation Theory と呼ばれ子供が自発的動機を持てるようになる過程を説明しています。
(挿入画像をご覧ください。)

35年に渡り日本の生徒たちにクリティカルシンキングを教えて来た経験、それにカナダの大学で勉強した脳心理学・発達心理学をこのTheoryに重ねると、愕然とするような日本の子供の非自発性が見えて来ます。


まず最初に出会う生徒たちは、下から2番目のExternal Regulationレベルの場合が大多数です。
小学低学年であろうが、高校であろうが同じです。

塾に、習い事にと、親が作ったスケジュールに支配され、自分でぼ~っと考える時間もなく、好きなように周りを観察し、なぜだろう?と考える余裕もなく、管理された生活。

学校の機械的で退屈な宿題、集団行動を強制する部活、そして丸暗記のテクニックを教わる塾。
そして、そんな毎日を奨励し、そこにお金をつぎ込む親たち。

そんな生活から日本の小さな子供の脳が学習するのは、「ママがやれというから。」「しないと怒られるから。」「そうすることになっているから。」と、とにかく周りの大人を不快にさせないように行動することのようです。

中学生・高校生になってからも、その受け身な意識から抜け出すことが出来ず、やっている事に疑問も抱かず、黙々。

なぜ?
「そうしなさい。」と言われたから。

「やりなさい!」と言われたらやる。 やる内容もまぁまぁ出来る。
それを見て親は「うちの子はやれば出来る。」と、どこに子供を追いやっているかに気が付かないでいると思います。


このような行動パターンを覚えてしまった子供の脳は、周りから「やりなさい!」と言われないと反応出来ない脳になってしまいます。

自分から興味のあることなどみつけることもしなくなります。

親から「やりなさい!」と言われない時には、おそらく何も考えず漫画を読んだり、ゲームをしたりしている子供にこんな兆候が強いと思います。

そうして思春期に入ってくると、「やりなさい!」に次第に反抗心が芽生え、とうとう「やりなさい!にすら反応しなくなります。

行き着く果ては、A-Motivation。
まったく何もやる気のない、何を言っても行動しない最悪のパターンに落ちてしまいます。

 

では、A-Motivation に陥らないためには、親はどんな態度で接したらいいのか。
Intrinsic Motivation 、External Regulation から上のステップに子供を引き上げるためには、どうしたらいいのか。

(これら過程は、私が35年に渡り子供たちを指導しているそのまま鏡のようなステップです。)


1) External Motivation の次のレベル Introjection に進むためには。

「やりなさい。」を極力言わない。
子供が何か出来た時には、褒める。
それも子供の能力と、出来た結果の両方を褒める。

出来たレベルを他と比較し、自分がどんな位置に立っているのかを前向きに自覚させる。
「このくらい出来たら、~歳ではトップレベルだね!」とか。

このようにして子供は自分のStatus を持てるようになっていく。
まだまだ外的な動機づけではあるが、ひとつレベルアップ。


2) Introjection からIdentification に進むためには。

出来た結果を子供の他の部分、例えば将来とか、とか結びつけて考えられるようサポートする。
例えば、記憶力が優れているのをみつけた場合には、コンピューターの記憶システムなどの話をし、

その記憶力をどう使えばいいのかなどを話す。
その記憶力を将来の仕事にどう生かせるか、なども楽しく話題を提供する。

こんな親の役割は非常に大切です。
そうすることで、子供は自分の行動に興味を持ち始めます。


3) Identification からIntegration に進むには。

行動の結果を、自分だけではなく、周りの社会全体とどうつながっているかを理解させるようサポート。

例えば、突拍子もないアイディアを出すのが得意な子供には、そのアイディアがどう社会をよくするのか実例を一緒に探す。

Apple のSteve Jobs など、現在の社会にはそのようなアイディアで社会を進化させ、自分も成功者となった人物のことなどを具体的な情報として提供。

情報提供は親の非常に大切な仕事です。


4) そして、そんなたっぷりの情報を自分で消化出来るようになったとき、初めてIntrinsic Motivation 自分から動機づけが出来、周りからの評価、反応などではなく、自分の満足のために物事を進めていけるレベルに達することが出来ます。


完全な大人の自発的動機です。


英語の思考法クリティカルシンキングが目指すステップも同じです。
自分から問題をみつけ、自分で論自発的に解決して行く。

日本の学校や塾のように答えを与えられるのではなく、自分から、問題までも探して行く。
この過程が、Intrinsic Motivation にもつながって行きます。


子供は自分で学ぶもの。
親が指図して学ばせるほど子供の脳は稚拙ではありません。

子供の脳の発達を助けるのが親や学校の役目。
大人が決めたことを押し付けるのが役目ではありません。


子供の脳の発達を一生懸命邪魔している学校・塾・親の多い日本。
A-Motivartion 動機づけがまったく出来ない人口が恐ろしく膨れ上がった現実と重なり、危機感を覚えています。

 

Good luck, Japanese parents!

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カナダの小・中・高校の教育課程を基にした指導をしています。
クリティカルシンキングの基本が出来た生徒は「カナダの小さな町での留学・ボランティア」
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