- 田中 紳詞
- 株式会社Exciter 代表取締役/主席コンサルタント
- 東京都
- 経営コンサルタント/ITコンサルタント
-
03-6280-3255
対象:システム開発・導入
- 清水 圭一
- (IT経営コンサルタント)
- 清水 圭一
- (IT経営コンサルタント)
ちょっと言い過ぎかもしれませんが、少なくとも大枠は変わらないでしょう。
というのも、そもそもSAPもその一つである、ERPパッケージについて考えてみたいと思います。
ERPパッケージの良いところをざっくり言うと、
「統合業務システムであるため、個別にシステムを持たずに済む」
「個別にシステムを持たずに済むため、インタフェース費用もシステムごとのライセンス料もかからない」
「個別にシステムを持たずに済むため、システム間のタイムラグがない」
「個別にシステムを持たずに済むため、システム間の不整合がない」
といったところでしょうか。
逆に、これらのメリットを享受できる企業はどのような企業か?と考えると、
「統合業務システムや複数のシステムがないと管理しきれない企業」
「各システムのインタフェースが必要だったり、高いライセンス料のシステムを導入しなければならない企業」
「システム間のタイムラグが、深刻なダメージとなり得る企業」
「システム間に不整合が出得るほど管理するデータの種類や量が多い企業」
他にもありますが、こんなところかと思います。
つまり、一言でいえば大企業です。
あるいは、中堅であるものの管理情報の種類や数が多いという企業です。
こういった企業がERPを捨てて個別システムの組み合わせに戻るのか?というと甚だ疑問で、というのも、わざわざ統合したシステムやデータをバラバラにする労力がメリットに結び付きづらいためです。
つまり、ERPという概念は捨てないのではないか、と。
もちろん、SAPを捨てることはあるかと思います。
事実、SAPを捨ててスクラッチ(自らが構築する)を選択する企業はあります。
しかしながら、ある一定以上の規模の企業、特にグローバル企業は、SAPを捨ててSAP以上のシステムを構築できるのか?というと、かなり難しいでしょう。
だって、SAPはERPの代名詞だけあって素晴らしいシステムなんです。
驚くほど高価なだけはあります。
色々な業種で使うこともできます。
わざわざ追加開発せずとも、設定の変更だけで吸収できる要件も多いのです。
また、これまでの様々な導入企業の歴史を吸収し続け、進化し続けています。
これを、あるユーザ企業とITベンダー一社ずつがタッグを組んだで越えられるのでしょうか?というと、かなり可能性は低いでしょう。
ただ、やはりネックになるのは価格。
イニシャルコストもランニングコストも、相当なものです。
また、SAPは「機能が豊富過ぎる」「色々な要件を吸収できるゆえに、そのための仕組みが複雑過ぎる」という欠点もあります。
そのため、SAPが取って代わられるとすれば、「機能や設定がいい感じにシンプルかつコンパクトにまとまっている、価格も抑えられたERPパッケージ」ではないかな、と考えています。
ただ、これもSAPが老朽化してから刷新の機運が高まるまでの時間がありますし、低価格を売りにしたシステムの開発なんてワザワザこれからするかね?という話もあり、冒頭の「暫くの間は、何も変わらない」という結果になります。
このコラムの執筆専門家
- 田中 紳詞
- (東京都 / 経営コンサルタント/ITコンサルタント)
- 株式会社Exciter 代表取締役/主席コンサルタント
業務システムからモバイルまで、IT業界の無差別格闘家
専門はSAPなどの業務システムとコンサルティングですが、それに限らず企業にとって必要なITとその活用を考え、幅広い分野の経験を積んできたと自負しております。ITには多くの分野がありますが、一面ではなくトータルで勘案したプロの仕事をお届けします。
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