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仲介業者が行なう無料の住宅診断や建物診断の落とし穴と問題点

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近年、不動産仲介業者が販売促進の為に住宅診断(ホームインスペクション)を導入するケースが増えてきています。
しかし、仲介業者が無料で行う住宅診断(ホームインスペクション)とは、どこまで信用できるものなのでしょうか?
私自身も新築一戸建を仲介手数料無料で尚且つ建物診断も無料で行うサービスを実施しています。
何年も前から私どもにて仲介で取扱う物件については無料で建物診断を実施していますが、最近は、私どもに他の仲介業者で行なった住宅診断でのトラブル相談が増えてきております。
ここでは、住宅購入時の住宅診断(ホームインスペクション)を受けるうえでの注意点について解説させて頂きます。
このサイトを通じて皆様が住宅診断や建物診断を受けるうえで正しい知識を得ることにより、安心して後悔のない住宅購入を実現して頂ければ幸いです。。


 1.住宅診断(ホームインスペクション)や建物診断とは?

住宅診断(ホームインスペクション)や建物診断とは、住宅診断士(ホームインスペクター)や建築士が、住宅の健康状態を専門的な立場で見極めアドバイスを行なう住宅の健康診断や人間ドックのようなものです。
住宅購入を検討しているエンドユーザーは、契約する前に事前に専門家に住宅診断を依頼する事により購入予定物件の建物状態を把握出来ますので安心して取引が出来ます。
最近では、仲介業者が住宅診断を実施するケースも徐々に増えてきています。

購入予定の物件を住宅診断や建物診断を受ける事により、買主は「この家は欠陥住宅では無いかな??」と闇雲に心配する必要がなくなります。

住宅診断や建物診断を受ける事により、購入予定物件が欠陥住宅か否かの判断は、専門家に任せる事が出来ますので、買主は、価格、立地、使い勝手など本来検討すべき事項に集中して住宅購入を検討する事が出来ます。

 

 2.建物診断と住宅診断の違いとは?

住宅診断(ホームインスペクション)とは、住宅診断士や建築士が水平器などの簡易的な装備と目視で住宅のコンディションを見極めます。目視が中心の診断ですので見えない部分は診ることが出来ません。

私が行なっている建物診断(田中式建物診断)では、目視中心の住宅診断(ホームインスペクション)の実施に加えて、更に人の目では診る事が出来ない事項も専用機器を使って計測して見極める事が出来ます。

例えば、壁の中の断熱材の有無を赤外線サーモグラフィーで確認する事も必ず行います。
また、建物内部でのシックハウス検査としてホルムアルデヒド測定器での計測や建物周囲から発生している電磁波の測定等々も実施します。
同時に耐震診断も行ない購入予定物件の耐震性を評点という数値化も行ないます。

※耐震診断についての説明はコチラをご覧ください。

 医療に例えると、一般的な住宅診断(ホームインスペクション)は、「健康診断」と言えます。
 私が行なっている建物診断(田中式建物診断)は、「人間ドック」に近いかもしれません。
ですので多少区別する意味で、私の行なっている診断は、住宅診断と呼ばずに、建物診断(田中式建物診断)と呼んでいます。

もちろん、一般的な住宅診断(ホームインスペクション)でも専門家が考案して確立された素晴らしい診断です。
 一般的な住宅診断(健康診断)を受けるか田中式建物診断(人間ドック)を受けるかの判断は、実際に住宅を購入しようとしている皆様の求める診断内容により判断されて良いと思います。

 

 

3.素人同然の営業マンが無料で行う住宅診断!?

近年は、販売促進の為に仲介業者が無料で住宅診断を実施するケースが増えてきました。
住宅診断や建物診断は、簡単なようで難しいものです。
精度の高い診断を行なう為には
1.専門知識
2.多くの経験とノウハウ
3.専門資格
を持った専門家が行わなければ住宅診断(建物診断)を行なう意味がありません。

仲介業者が無料で行う住宅診断の原状を見ると、明らかに販売促進の為に
専門資格の無い営業マンが水平器をもって見様見真似で住宅診断をするケースが後を絶ちません。
私どもには、そのような住宅診断を不信に感じたエンドユーザーからの相談が近年増えてきております。

仲介業者が販売促進の為に導入した住宅診断(ホームインスペクション)という事は、住宅診断をして悪い結果が出てしまい契約に至らない・・・という事態は仲介業者にとって避けたいところなのでしょう。
その事から仲介業者の専門資格の無い営業マンが住宅診断を行なった場合、住宅診断して不具合を発見しても隠蔽してしまう傾向があるので注意が必要です。

 

 

4.住宅診断や建物診断を行なうのに必要な資格とは?

資格だけあっても経験が無ければ良い住宅診断や建物診断は行なえません。
しかし、経験だけで資格がなければ専門知識や必要な情報もありませんので不安です。

建物を診断するうえで必要な資格をご紹介します。

1.宅地建物取引主任者(通称:宅建)

国家資格:住宅を購入するユーザーへ住宅はもちろん不動産全般についての必要な知識と情報を提供する為に絶対必要な資格です。

2.一級建築士、二級建築士
国家資格:建築法規を熟知した専門家です。1級建築士は木造以外に高層ビルなどの設計も出来る建築のエキスパートです。

3.一級施工管理技士、二級施工管理技士
国家資格:建築法規を熟知し実務経験も有した専門家。設計から施工までの一連を管理監督する技術者。受験資格も実務経験が必要。

4.住宅診断士(ホームインスペクター)
NPO法人日本ホームインスペクターズ協会の認定資格:住宅診断についての専門知識と診断ノウハウを習得した人の持つ資格です。

5.木造住宅耐震診断士
NPO法人日本耐震防災事業団の認定資格:木造住宅の耐震診断と耐震補強の知識を有しています。

一言で「住宅診断」「建物診断」「耐震診断」と言っても上記の資格を全て取得した専門家が行なう「診断」と、仲介業者の営業マンが無資格で行う見様見真似の住宅診断では診断の信用度が全く違うという事が各資格の内容をご覧頂ければご理解出来るかと思います。


 

 

5.どんな住宅診断や建物診断を受ければ良いか?

とにかく経験が浅く専門資格が無い仲介業者の営業マンの住宅診断では意味がありませんので避けるべきだと思います。

宅地建物取引主任者の資格は当然として1級建築士、1級施工管理技士、住宅診断士、木造耐震診断士などの資格は建物診断をするうえでは必須です。
有資格者であれば、プロ(専門家)の責務として隠蔽や嘘はつけません。

また、私の建物診断では、人間ドックの結果表を参考にして各測定項目の脇に「参考値」という欄を設けています。
例えば人間ドック結果表で、血糖値や中性脂肪などの数値が「参考値」の範囲外であれば不健康(異常)という事が一目で解ります。
同様に田中式建物診断の結果表でも「参考値」の範囲外の数値であれば、建物に是正が必要という事が一目で解るようになっています。

私は、数千件も住宅を診て参りましたので、スリッパを履かずに裸足で歩くと家の傾きや床の不陸が解ります。
しかし、ユーザーに対して「私が歩いて大丈夫でしたので問題無いです」と言っても信憑性が全くありませんね!
ですので私は、建物診断で測定した結果は、出来る限り「参考値」を設けて「数値化」して報告しています。

どんなに素晴らしい住宅診断や建物診断でもユーザーに判り難い診断結果では意味がありません。
信頼のおける有資格者が解りやすく結果を報告してくれる建物診断が良い建物診断だと考えます。

 

6.理想は利害関係の無い第三者に建物診断してもらう事です

私も含め、仲介業者が行う住宅診断(ホームインスペクション)や建物診断等や最近では「第三者」を強調した仲介業者が住宅診断費用を負担して仲介業者経由で別会社へ住宅診断を依頼するという住宅診断サービスもあります。
しかし、これらの住宅診断では、仲介が成立すれば仲介業者に利害関係が生じますので、完璧に利害関係が生じない第三者の住宅診断サービスにはなりません。

本当に利害関係の無い第三者の住宅診断や建物診断をお望みであれば、ご自身で有料の住宅診断を依頼する事をお勧め致します。

住宅診断(ホームインスペクション)の一般的な費用は、目視による一次診断で約5~6万円位。機材を使用した住宅診断で約10万円位。
更に、赤外線サーモグラフィーを使用した非破壊検査の会社に依頼すると約5~10万円位。
耐震診断を専門業者に依頼すると約5万円位。
以上が診断や検査の相場です。
従って、フルコースの建物診断で約25万円位は必要になります。

費用はかかりますが間違いなく利害関係の無い第三者による住宅診断、建物診断、耐震診断が実現できます。

 

7.費用はかけなくないけど建物診断をしたいという場合

物件を購入する予算だけでギリギリで・・・建物診断にかける予算は無いという人も少なくないかもしれません。
最近では、仲介手数料無料で尚且つ住宅診断や建物診断が無料という仲介業者が出てきています。
しかし、前記で説明したように、販売促進を目的とした住宅診断が多いのが現状ですので、住宅診断無料の仲介業者の選定には細心の注意が必要です。
保有資格が宅地建物取引主任者だけで建築関係や診断関係の資格を保有していない営業マンの住宅診断も避けるべきだと思います。

不動産系の資格・・・宅地建物取引主任者
建築系の資格・・・・建築士、施工管理技士
診断系の資格・・・・住宅診断士、木造住宅診断士

建物診断をする専門家の保有資格を業者選定の目安にすると良いでしょう。

 

8.住宅診断や建物診断を行なうべき物件とは?

木造一戸建の場合は、新築や中古を問わず殆どの物件(特に建売り住宅)は、住宅診断や建物診断および耐震診断を実施すべきだと思います。

1.パワービルダー系の新築建売住宅
特徴:大量生産なゆえに現場監督の目が行き届かない事と職人の技術にバラツキがあります。上手で丁寧な職人さんもいれば下手で雑な職人さんもいます。例えれば、物件毎にアタリとハズが存在しますので建物診断を受けた方が安心と言えます。

2.地元工務店などが建築した新築一戸建
特徴:現場監督の目が行き届き職人の技術も素晴らしいのですが古い技術基準の仕様の施工(小屋裏の不燃構造等)になっていて知らずに施工ミスをしている場合が多いので注意が必要です。

3.都心の狭小住宅やデザイナーズハウス
特徴:設備仕様は良いのですが法令上の制限で違反建築がある事もありますので各診断を受けた方が安心です。

4.ビルトインガレージのある木造一戸建
特徴:壁量が足りなく耐震強度が基準ギリギリの物件も多いので建物診断の他に耐震診断も必ず受けるべきだと思います。

逆に新築マンションや大手ハウスメーカーでプレハブ系の新築一戸建の場合は、住宅診断や建物診断の必要はないかもしれません。

 

9.完了検査を受けた建物だから安心??

不動産会社の営業マンは「建築確認を取得して完了検査も受けているから大丈夫だから安心です!」とよく言いますが
完了検査とは、建築確認どおりの建物が建築されている事を確認する為の検査で建物の不具合を発見する為の検査ではありません。
完了検査では、建築確認検査機関の検査員が完成した建物の「間取り」「開口部」「建物配置」等々を検査します。
しかし、完了検査の時は、「床が軋む」「建付が悪い」「断熱材の有無」などは検査されません。

私どもが建物診断を行なうと完了検査を受けて検査済証が発行された後でも以下のような不具合を良く発見します。
1.準防火地域なのに小屋裏の防火が未了または不完全
2.床下収納回りの断熱材の未了又は不完全
3.キッチン排水管からの水漏れ
従って完了検査を受けたから建物に問題や不具合が無いとは一概に言えませんので注意が必要です。

また最近では、売主や建築業者が自主的に建築中に第三者機関の検査や住宅性能評価制度を導入する場合もあります。
この事は、売主や建築業者の姿勢として大変素晴らしい事だと思いますし安心材料の一つだと思います。
第三者機関の検査や住宅性能評価制度は、構造体、防水の検査がメインで建物の仕上げの検査は殆どありません。
例えば、「床のキシミ」「建付け不良」「壁や床の傷や隙間」などの購入者が直接触れたり目に入る部分の検査はありません。
従って、第三者機関の検査や住宅性能評価制度を導入している物件であっても引渡し前の竣工検査的な住宅診断や建物診断を受けた方が安心と言えます。


 
10.最後に・・・
木造の新築一戸建は、工業製品ではありません。現場で人が造っています。
現場で人が造っていますので、“多少”の「傷」「汚れ」「隙間」「傾斜」などの不具合が存在します。
それらの僅かな不具合は許容範囲内として受け入れなければなりません。

 許容範囲内の不具合例
1.1000分の3未満の床の不陸
2.施工上止むを得ない小さな傷
3.階段付近の小さな隙間
・・・等々
一見これらは不具合として指摘したくなる事例ですが実際の現場の程度によって指摘しない方が良い場合もあります。
建築は多少の不具合はありますが、しかし、その“多少”が問題なのです。
専門的な知識や資格が無い人が住宅診断や建物診断を行なっても適正数値の範囲内が範囲外かの判断がつかなく重大な瑕疵(欠陥)を見落とす可能性があります。
良い建物診断とは、ただ不具合を指摘するだけではなく建物のコンディションを解り易く買主に説明をする事が重要だと考えます。

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