過去には、1995-1996年にクリントン政権で、国立博物館や図書館が閉鎖され、社会保障給付や恩給が停止された経験があります。現在、米国は景気刺激のための金融緩和を行っていて、多額の資金を市場に放出しています。また、オバマケアと呼ばれる国民健康保険にも資金がかかっています。
国の財政に関しては、米国より日本の方がずっと悪化しています。日本のGDPに対する債務残高比率は13年が224%。一方、米国は113%です(財務省調べ)。債務の上限を決めている米国は、政府機関の閉鎖が実施されそうになっているのに、赤字垂れ流し状態の日本は、歯止めがなく粛々と行政が行われています。
やはり福島原発事故を思い出さずにはいられません。政府も東京電力も、原発は安全で事故を起こすことはありませんと発言していました。そのため、事故が起きたときの指針作りは形骸化していました。事故発生後、米軍の協力がなければ、放射能対策を行うためのデータさえない状態でした。
この国には、危機管理のための仕組みを作る発想がありません。実際は、危機を感じている人は大勢いるはずです。ただ、一部の政府や行政の人たちが、危機が起こることを無視しているようです。その発想の根源は、誰も責任をとることをしたくないため、綿密な仕組みを意識的に作らないようです。
結局は、個々の国民が自分で、財政破綻が起こったときの対策を考えるしかありません。今後、わが国で新たな国民間の格差が生まれるとしたら、財政破綻対策の有無です。現在の、正規社員か非正規社員かによる格差と違い、国の財政依存の強弱が生活に大きな影響を及ぼしそうです。
このような場合、自分で賢い対策を考えるしかないです。決して、起業することが問題の解決になるとは思いません。できることなら、政府や自治体に、過度に依存しない収入源を考えることです。書籍「一万円起業」が大変売れているようですが、副業探しも大事な要件になります。
【一言】
わが国の政治家は、一様に日本は安全な国と言いますが、大地震や原発事故、大津波に大雨などを考えますと、決して安全とは言えない国のような気がします。自然災害ばかりでなく、凶悪事件も増えていますし、世界で類をみない1000兆円の借金を抱える国でもあります。権力者の意味のない、大丈夫、大丈夫の声に騙されないで、わが身は自分で守るしかないのが今の日本です。
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