起業失敗でいきなり追い詰められる理由 - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

中山おさひろ
東京都
起業コンサルタント

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年04月19日更新

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起業失敗でいきなり追い詰められる理由

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 起業に失敗した人の中には、資産を全て失い、最悪の場合は自殺する人さえいます。多くの人が起業に対して、一定の距離を置こうとする理由はここにあります。起業が原因で自殺する人の背景を、NPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」が精神科医とともに調査して、このほど「自殺実態調査」をまとめました。

 2007年から5年かけ、自殺者の遺族523人からの聞き取り調査です。大きな特徴が2つあって、1つは経営破綻から自殺までの時間を調べています。自ら起業した人が最も短く2年。正規の雇用者は4年、親から事業を引き継いだ人は4年7カ月。非正規雇用者は6年11カ月です。責任の重い順のような気がします。

 特徴のもう1つは、連帯保証人の問題。開業にあたっては、資金を借り入れる人が多いのですが、事業が行き詰ると返済ができなくなります。その場合、金融機関は保証人に返済を求めますから、起業した人はとても厳しい立場に追い込まれます。自殺する原因として、この保証人問題を抜きには語れません。

 結局は、自分の保険金などで返済するため自殺を選らんでいます。調査によると、自殺する人の多くは「従業員を解雇した後は仕事をせず、家で過ごすことが多くなり、口数も減っていった。資金繰りに窮するようになってからしばらくして自殺」と言ったパターンをたどるようです。メインの取引先の倒産や、注文の激減を乗り切るため、資金繰りばかりに注力しています。

 わたしが問題にしたいのは、起業家が独立する時のプロセスです。大半の人は、仕事が他人よりできるというだけで独立を考えます。事前に経営者としての、トレーニングなどはほとんどしていません。昨日まで社員だった人が、明日から会社経営には無理があります。そのため、経営が厳しくなった時の選択肢はほとんどない状態です。

 事業が好調なときでも、次の新たな事業を考えなくては継続できない時代です。一つの取引で躓いたらそれで終わり、自殺しかないでは、起業自体があまりに無謀すぎます。起業する以上は、単に仕事ができるだけでなく、経営者としての能力を高め、転ばぬ先に対策を考えることが現在の起業では求められます。

【一言】
 二度目の首相就任をした安倍首相は、前回のお友だち内閣の反省を踏まえ、とても落ち着いた政治を行っています。あまり政治家としての能力が高いとは思えませんが、首相も二度目になると勘所を外さなくなりました。また、アナウンス効果をよく知っていて、どこで発言すると良いかタイミングをみることができます。起業も、一度で全てが終わりと思わないで、二度目のチャンスもあることを忘れないでください。起業プロセスの相談に載っています

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