転職の手帖18:日々、初心に還る - 条件交渉・入社判断 - 専門家プロファイル

市村 光之
キャリアリーブス 代表
東京都
キャリアカウンセラー

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閲覧数順 2024年04月25日更新

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転職の手帖18:日々、初心に還る

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苦労の末、または切望して入社した憧れの企業でも、入ってみたらイメージと違っていたということが時折あります。仕事の流儀の違いに戸惑い、人間関係に悩み、あるいは期待された成果を出せずに、この転職は間違いだったのでは、と悩むことはしばしばあることでしょう。転職について説明する際に、これも避けては通れないテーマです。

そんなときは、自分はなぜ転職を決意したのか、なぜこの企業・仕事を選んだのか、その「初心」をまず思い出してください。あなたは、棚卸をベースに自身のキャリアプランを明確にし、その目的を実現するために転職を決意しました。企業やポジションを選ぶに際しても、転職のクライテリアまたは条件を明確にし、100%一致はしていないにしても、十分に検討し納得した上で今の企業への入社を決めました。あなた自身が選んだ、あなたらしい「正解」の選択肢のはずです。その思考と行動に自信と誇りをもっていただきたいです。

引いた視線で課題のありかを分析する:

その初心と実際に就業してからの現実との間に、どんなギャップや課題があって心が揺らいでいるのか、それらを解決するにはどうすればよいのか、ほんとうに越えられない壁なのか、を少し引いた視線で考えてみてください。新しい職場に入れば、予想していたこと、していなかったことを含め、さまざまな壁や落とし穴があります。それは当り前のことですし、努力して越えられないことはそれほど多くはないと思います。あなたはそれらの壁とのファーストコンタクトに戸惑っているだけかもしれません。

第三者に相談する:

ひとりで思い悩むだけでは壺にはまり込みます。次に、信頼できる方に、自分の思いをまずは話してみてください。お付き合いのある人材コンサルタントに相談すれば、あなたが置かれている状況をより客観的に分析し、どのようなステップで対処すればよいかアドバイスをしてくれるでしょう。上司や、親しくなった同僚に話すことで、前職企業の常識と今の企業の常識の差であることが分かって、どうしていけばよいか、対応策を考えるヒントを得られたりするかもしれません。すぐに有効な解決策が見つからなくても、他人に自分の状況を説明する行為を通じて、少なくとも、あなたの悩みや課題のありかが整理されるはずです。

転職にまつわる話ではありませんが、一例として私の米国留学時代のことをお話します。最初の学期にレトリックの講座を取りました。担当のY教授はドイツがルーツの厳格で気難しそうな学者で、講義は禅問答のようでもあり、元々英語が苦手な私にとってとてつもなく難解でした。開講から1ヶ月後、早めに相談し手を打たなければ取り返しがつかなくなると、Y教授の研究室を訪ね、あなたの講義が理解できません、と清水の舞台から飛び降りる心境で恐る恐る打ち明けました。するとY教授は何をくだらないことを、と言わんばかりに、「分からないのは君だけじゃない。アメリカ人でも僕の講義は理解できない」と真顔でおっしゃいました。その予想外の反応に、悲壮な思いで打ち明けた私は、拍子抜けして思わず大笑いし、鉛のように重かった心が軽くなりました。もちろん、ネーティブスピーカーが感じる難解さと、私のそれとではレベルが違うのですが、打ち明けたことによって気持ちが楽になり、これからどうすれば授業についていけるのかを冷静に考えるきっかけになったことは事実でした。

課題の本質を文章で定義する:

さらに、今あなたが何を壁だと感じているのか、なぜそれらが壁なのか、つまり課題の本質を文章に起こして定義してみてください。課題の本質をきちんと見極めないと、的外れな解決策しか打ち出せません。書くという作業により、攻めるべき本丸はどこなのか、克服すべき課題の本質を確認するのです。

病気の本質(原因や仕組み)を突き止めない限り、その病気の特効薬は作れません。課題の本質を見極め、壁を乗り越える努力を、感情的にではなく、論理的に実行してください。折角、あなたが決断し、切り拓いた道です。行けるところまで進む、その覚悟と勇気をもって。

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