転職の手帖17:新しい企業に入社する - 条件交渉・入社判断 - 専門家プロファイル

市村 光之
キャリアリーブス 代表
東京都
キャリアカウンセラー

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閲覧数順 2024年04月23日更新

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転職の手帖17:新しい企業に入社する

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転職の目的は、勤務する会社を替えることではなく、新しい企業であなたのキャリア目標に近づく新たな一歩を踏み出し、結果的にハッピーになることです。そのための最後の山が、転職先企業にスムースに馴染み、いかに早期に、期待されるパフォーマンスを発揮できるようになれるかです。あなた自身がこの企業に転職してよかったと感じ、かつ定着し、受け入れ企業側もこの人を採用してよかったと評価してもらって初めて、あなたの転職が成功したと言えます。

入社前に:

退職プロセスを進めると共に、できるだけ早く、スムースにそうなるために、あなたは何をすべきなのか、考えてみましょう。たとえば入社前に、あなたが営業やマーケティング職ならその企業の製品やサービス、市場動向や競合との差異を徹底的に調べたり、あなたがエンジニアでJavaが必要なら事前にプログラミングを勉強しておいたり、さまざまなことが考えられます。受け入れ先に、事前に準備できること、修得しておいてほしいことがあるか、確認してもよいでしょう。

もし許されれば、正式入社前に職場にお邪魔し、業務を体験させてもらったり、先輩社員がどのように働いているのか見学するのも、その企業に馴染む準備として有効でしょう。もちろん、大企業など組織がしっかりしているところでは、そのようなことは認めてくれないことが多いですが、小規模な企業でしたらWelcomeのケースも多いです。業務を体験できなくても、夜の飲み会がある際に参加させてもらえれば、職場の雰囲気を垣間見ることができますし、同僚の人となりも事前に分かり、安心できますね。

上記とは正反対の考えかたですが、転職の狭間の時期はまとまった休みを取る絶好の機会でもあります。一旦新しい仕事に就いたら、当面まとまった休みは取りにくいのも実情です。であれば、リフレッシュの期間と割り切って、入社前の数週間を家族との時間や旅行に充てるのもありと思います。改めて自分自身を見つめ直し、転職の目的を確認し、新たな気持ちで入社できるようにマインドセットするのもよいのではないでしょうか。この空白期間を利用して英会話学校に集中的に通い、苦手の英語を克服する、という方もいましたね。そんな悠長なことはしていられない、空白期間を設けたくない、早く入社したい、と考える方もいらっしゃるかと思います。考えかたは人それぞれですが、長い社会人人生の中で数週間はほんのひとときです。仕事という日常から離れてみることも、貴重なことではないでしょうか。

入社したら:

さあいよいよ入社です。あなたらしい期待や夢や不安を抱えて、でも颯爽と出社したあなたを、さまざまな戸惑いの場面が待ち受けていることでしょう。新しい会社では、新入社員がそうであるように、人間関係をまた一から積み上げなければなりません。そこには、社内の人脈を拡げたり、他部門の情報をいち早くキャッチできる“同期”という横の繋がりはもはやありません。前の会社では当然の仕事の進めかたが、新しい会社でも常識とは限りません。○○さんの頼みじゃしょうがない、と快く受けてくれた仕事が、新入りでは、その納期では無理です、と言われるかもしれません。もっと卑近なことでは、グループのメンバーが揃って昼食をとる職場があれば、三々五々という職場もあるでしょう。前の会社ではこうだったのに、という戸惑いを感じながら、手探りで新しい人間関係を作り、期待された成果を挙げなければならないのです。これは想像以上のストレスになります。

さらに大企業またはその分野で名の通った会社にいた方がベンチャーや弱小企業などに転職するケースでは、その大企業の看板、社会的な信頼感のないところでビジネスをしなければなりません。○○会社です、と名詞を差し出せば快く会ってくれた顧客が、今忙しいから、に変わったりします。製品そのものや、営業マンの努力というよりも、会社の信用力でコンペに勝ったこともあるでしょうが、今度は逆の立場で悔しい思いを味わうかもしれません。覚悟はしていても、これも大きなストレスです。

転職活動中、面接でいろいろな方にお会いし企業の説明を受けたとしても、それらはその企業のほんの一面、またはステロタイプ化された情報でしかありません。その企業とあなたとの間にどのようなカルチャーギャップがあるのかはなかなか分かりませんし、多少想像できても、実際の落差ははるかに大きいはずです。入社するからには、新しいことにチャレンジする影の部分、さまざまなストレスを受け入れて乗り越える覚悟が必要です。

まずは1週間、でんと構えて、それらのストレスを受け入れましょう。どんなタイプの同僚・上司がいて、どのような力関係・人間関係で、どんな流儀で仕事を進めているのか、じっくり観察してください。へーこうなんだ、とギャップを楽しむつもりで受け入れてください。ある程度、職場の状況を見切れてから、少しずつあなたの個性・人間性を発揮して、職場に溶け込む努力をすればよいのです。

そうして職場の一員としてあなた自身のプレゼンスを構築できたら、この企業に来てよかったと思えるようになったら、あなたの転職活動は完了です。入社1ヶ月でそうなる方もいらっしゃるでしょうし、1年かかる方もいらっしゃるでしょう。急いては事をし損じます。焦らないことです。

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