ラジオ放送のご質問に補足して--暗所でのブレ防止 - 写真撮影レッスン - 専門家プロファイル

宮本 陽
And EM アンド・エム 代表
兵庫県
カメラマン

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:写真・ビデオ

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

ラジオ放送のご質問に補足して--暗所でのブレ防止

- good

  1. 趣味・教養
  2. 写真・ビデオ
  3. 写真撮影レッスン
そうだったの?意外なカメラの知識

「体育館での撮影時、ブレが大きくなるためにうまく撮れない。その改善策は?」


タッキー816 みのおエフエム様( http://fm.minoh.net )の番組「カメラとお散歩」のコーナーにて、毎月第一水曜日午前11時よりカメラや写真に関連したお話しをさせていただいています。

今回2月6日の放送では、リスナーさんから「体育館での撮影時、ブレが大きくなるためにうまく撮れない。その改善策は?」というご質問をいただきました。


放送時の私の回答は、シャッター速度を上げることで改善しましょう。但し暗くなる可能性もありますね。という項目にとどめていました。

リスナーさんは、さまざまな環境(使用機材の違いや個々人のスキルなど)があると思われるので、ターゲットをどこに設定するかといった部分でいつも悩みます。


今回の想定は、一眼レフ(ミラーレスではない)に汎用ズームレンズ(開放f値=f5.6~f6.3程度、135mm~300mm程度の焦点距離)を装着した機器を使用していると考えています。

体育館で行われる卒業式では、舞台上のスポットが当たっている部分でも決して明るくなく、その結果、カメラ側でスローシャッターになるためにブレてしまう、というシチュエーションだと思われます。

もちろん詳細は不明ですが、舞台は概ね、ISO1600、 F4、1/30~1/50程度の明るさではないかと想像しています。


レンズの開放f値が5.6や6.3ではかなり暗く、同時にエントリークラスのボディであれば、カメラが自動設定しうるISO感度は3200から6400程度が上限になると考えられます。

この条件で上記の明るさから逆算したシャッター速度は、1/15~相当明るい舞台としても1/125程度のシャッター速度になるでしょうか。


よく言われる、手ブレしない手持ち限界シャッター速度「1/焦点距離」に当てはめるなら、望遠ズームの焦点距離200mmであれば、1/200程度は必要になる計算で、これよりも遅いシャッターだと相当安定したホールドができる方でなければブレて当然、という結果が見えます。

最近のモデルでは手ブレ補正機能が付いているものが大半なので、この機能に助けてもらったとしても、ギリギリだろうと思われます。

また、被写体側が動くと1/30あたりでは止めることが困難であり、卒業書証を手渡され一礼をする程度の動きでも、ほぼ間違いなく止まりません。これは被写体ブレの部分です。


こうしたことから、ブレずに止めることを最優先に考えるならシャッター速度を上げるしかなく、汎用ズームレンズでは絞りももうそれ以上開くことができず、ISO感度も自動設定では限界、ではなかろうか、ということなのです。

ですが、更に加えるなら、カメラ側で満足な露出が得られない時にはシャッター速度を設定値よりも長く(遅く)するセイフティシフトといった機能が働く可能性があり、これではブレずに止める目的を果たせません。


このままでは結論が見いだせませんので、ご質問の方の環境や機材を考慮せず「ブレないという目的を果たす」ことだけに観点を置いて書いてみます。


1.最低でも開放f値が「f4」のレンズ、可能なら「開放f2.8」のレンズを使う

2.ISO感度が6400から12800でも許容範囲と判断できる低ノイズであるボディを使う

3.RAWで撮影しマイナス一段から一段半のアンダー露出でシャッター速度を稼ぎRAW現像時に不足分を増感する

4.舞台に可能な限り近づき、より広角の焦点域でブレを軽減する


という感じでしょうか。投資費用も驚くようなゾーンになる可能性があります。

では、もっと現実的な汎用ズームとエントリークラスのボディならどうするか?です。


1.ISO感度を設定可能な最高値(6400~12800)にする(この場合のノイズは不問事項とする)

2.シャッター速度は1/125から1/250に設定する

3.セイフティシフト等は無効にする

4.絞りは(おそらくf5.6~f6.3)開放に設定する

5.舞台に可能な限り近づき、より広角の焦点域でブレを軽減する

6.可能であれば三脚、もしくは一脚等を使用する


これで試し撮りをして本番に臨む。

という感じではないかと思います。

ですが、失礼な意味ではなく、こうした設定が実際にできるのかどうかも不明です。



写真は、色々な要素や環境要因が絡み合って結果が導きだされます。かけ算の九九のように、一つの計算式に答えが一つ、という訳には行かないことを申し添え、補足の説明とさせていただきます。

放送時には、最大公約数的な回答になってしまう点、ご理解ください。


また、放送後に以下のご意見をいただきました。

ありがとうございます。来月もお楽しみにお聞きいただければ嬉しく思います。


--------------------------------------------------------------

●わかりやすかった

●室内で写真を撮ることが多いのですが、数多く写してもその中の数枚しか使える写真がありませんでした。うまく撮れているものも自分で考えてというより偶然でした。これからは光を考えて撮ってみます。

●光の話が特に面白かったです

●すぐ真似できるとは思わないけど、何も考えずに撮影するのと、少し気をつけて撮影するのとでは違うと思うので、ためになる。

--------------------------------------------------------------


「メルマガ:平成のデジタルフォト通信」でも色々なお話をお伝えしています。

http://and-em.com/mailmagazine.html へどうぞ。

-----------------------------------------------------

このコラムに類似したコラム

タッキー816みのおエフエム「カメラとお散歩」第2回放送 宮本 陽 - カメラマン(2012/11/01 11:24)

タッキー816みのおエフエム「カメラとお散歩」第1回 宮本 陽 - カメラマン(2012/10/04 00:50)

FM放送2015年11月アーカイブ音源(期間限定公開) 宮本 陽 - カメラマン(2015/11/06 11:00)

季節の花を美しく撮影しよう- ラジオ番組 宮本 陽 - カメラマン(2015/10/07 21:36)

画像データから「写真作品」に昇華させるために 宮本 陽 - カメラマン(2016/01/30 15:00)