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対象:事業再生と承継・M&A

債務超過の解消方法

法人・ビジネス 事業再生と承継・M&A 2008/11/13 10:50

中小企業の経営者です。 事業再生と財務についての質問です。
最近の急劇な株価暴落と円安による金融機関の貸し渋りで資金繰りが悪化しています。 実は債務超過状態が恒常化しており、銀行の評価を上げるために、社長である自身の役員報酬未払い分を棚上げできないかと考えています。 そうすることで債務が圧縮され債務超過が解消され、銀行の融資姿勢が緩和されるのではないかと思っています。 そこで、このアイデアを顧問の税理士さんに相談したところ、難しいと言われました。 何でも、裁判所や弁護士さんに頼まなければならないらしく、手続きに多額の費用がかかると言われています。 ちなみに私の役員報酬の未払い残は約二千万円ほどあり、これが清算されれば、資産はわずかながらプラスに転じます。 よく銀行などは、会社の貸付について債権放棄などしたりしていますが、会社社長の会社に対する個人の貸付は放棄できないものでしょうか。 本人が同意すればよいのではといのは素人考えでしょうか。同じく債務であることに変わりはないと思うのですが。 もしこれできれば債務超過がゼロとなり、銀行からの借入もしやすくなるのではないかと期待しています。 現に債務超過になり融資を受けられなくなったのも事実です。
大手企業からの下請けとして仕事を受注している身で、根本的な事業再生のアイデアが具体的にないところで、何とか年末に向けての運転資金確保のために思いついた考えなのですが。
この考えについてアドバイスいただきたいと思います。よろいくお願いします。

ruisさん ( 東京都 / 男性 / 58歳 )

回答:1件

後藤 義弘

後藤 義弘
社会保険労務士

1 good

ご質問ありがとうございます

2008/11/15 00:25 詳細リンク

*''★ 回答''
''ruisさんのアイデア通り、会社未払いの役員報酬債務を消滅させることは法技術的に可能です。 会社法施行後の現在、従来のように裁判所や弁護士等 (検査役) が関与しなくてもB/S上で簡単に 「負債」 を 「資本」 に振替える 「DES」 ができるようになっていますが、その際、振替えられた (1) 出資の引受け価額 (2) 課税の問題 (3) 再建計画の経済合理性の担保 に注意が必要となることから、早急に専門家にご相談され、積極的かつ慎重に採用を検討されることをお勧めします。''

''■ はじめに''
ご質問の趣旨についてですが、お話からすると、(ruisさんから見て) 単純な金銭債権の放棄と、金銭債権の放棄と出資への転換を組合わせたもの、いずれの解釈も可能と考えられますが、裁判所や弁護士等の手続きが付随しているという点に鑑み、後者のいわゆる ''「金銭債権の現物出資」 (デット エクイティ スワップ) [以下「DES」]''(([D] デット = 負債 / [E] エクイティ = 資本 / [S] スワップ = 転換)) に関わる手続きを意味しているとの前提で回答させていただきます。


**''▼ 解説''
お話のとおり、会社法施行前、「DES」 は、現物出資財産の価額の調査を行うため、裁判所や弁護士の手を介さなければならず、相当の時間と費用を要することから利用されにくい手法でした((そういう意味で、お話の中の税理士さんのアドバイスは、おそらく会社法前、つまり旧商法時代の規制に基づく見解ではないかと思われます。))。

しかし、不良債権処理のスピードアップの要請に、昨今の組織再編手法の多様化という規制緩和もあいまって、会社法施行後その手続きは大幅に簡略化され、事実上B/S上で、容易にそして機動的に 「負債」 を消滅させ同時に 「資本」 に組替えることができるようになりました((会社法207条9項5号))。 これにより迅速な事業再生が可能となっています。

補足

ただ、この「DES」 採用にあたっては、債権放棄と資本 (出資) への振替えが組合わさった複合的な取引であることから、主に次の3点に注意が必要です。

''(1) 出資の引受け価額''
''(2) 課税の問題''
''(3) 再建計画の経済合理性担保''

(1) によっては、時価と (1) の評価額の差額が 「利益」 (債務消滅益) と認識され、課税の問題が発生する余地があります((なお、この利益については、繰越欠損金 (期限切れ分含む) で消し込む処理が可能とされています。))。

また、その評価の額によっては、会社資産に 「欠損」 が生じることも考えられ、株主と役員の会社に対する責任等複雑な問題に発展することも考えれらます((会社法212条・213条))。

このあたりは、税法・会社法が複雑に交錯し、技術的かつかなり高度・専門的な話となるので、今一度顧問税理士さん他専門家にご相談のうえで 「DES」 の採用をご検討されることをおすすめします。 (もちろん弊社でもご相談承っておりますのでお気軽にご相談ください。)

いずれにしても、「DES」 は事業再生ツール((その他、M&Aや相続税対策などにも活用され、利用価値の高いツールです。))として有効な手法であると同時に、お話のように債務超過を解消し、金融機関からの評価を上げ、融資を得やすい財務内容に改善させることは、資金調達の面から大きな意義があることに間違いはなく、上の問題点に留意しつつ積極的の活用すべきと考えます。




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