対象:心の病気・カウンセリング
電気けいれん療法
うつ病に対する''電気けいれん療法 ECT, Electo-Convulsive Therapy''に関して国内の知見は以下が代表的なようです。
・中高齢期うつ病21例において、急性期ECTの''反応率は81%''であったが、反応例の6ヶ月''再燃率は47%''であった(Awata S, 2002)。
・初回うつ病の急性期ECT35例の寛解例のうち、1年間の薬物療法下の''再燃・再発率は34%''であった(Suzuki K, 2002)。
・急性期ECTで寛解した大うつ病43例において、''「継続薬物療法」対「継続ECT」''の6ヶ月再燃率は''47%対0%''であった(宇田川至, 2000)。
前2者は東北大学や仙台市立病院からの報告で高い再燃率とされていますが、後者は聖マリアンナ医科大学からの報告で非常に高い効果が報告されています。すなわち未だ十分なコンセンサスは得られていないのが実状と考えられます。
また有害事象に関しては、''健忘''などの認知機能障害、''高血圧・頻拍・不整脈''などの循環器症状が認められておりますが、''一過性で回復します''。稀に心肺停止、てんかん重積発作などの重篤な副作用も生じます。なお長期的な認知機能障害、いわゆる認知症や「廃人」などになることはありません。
いずれにしても上記の報告対象は主に自殺の危険が切迫しているような''重症・急性のうつ病''であり、軽度の方や回復の過程にある方へは行わないのが通例です。
悩みや迷いは尽きないようでしょうが、以上ご参考にして、''心穏やかに無理のない生活''をお過しいただければ幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。
茅野 分(銀座泰明クリニック)
回答専門家
- 茅野 分
- ( 東京都 / 医師(精神科) )
- 銀座泰明クリニック 院長
東京・銀座の心療内科・精神科、夜間・土曜も診療しております。
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mECTの成功率ですがどのくらいの割合ですか?
そして、失敗したときはただ「鬱が良くならなかった」というだけでなく、何か弊害が起こるのでしょうか?例えば、脳が麻痺してしまったり、目が見えなく… [続きを読む]
wakka-さん (埼玉県/32歳/女性)
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