対象:住宅設計・構造
断熱リフォーム(省エネリフォーム)前のチェック
はじめまして
既に他の先生のご回答により解決されているかと思われますが、個人的に気になった部分に回答させて頂きました。
アクリアマット14K(旭ファイバーグラス)はメーカー仕様を確認すると、通常のグラスウール24Kまたは高性能グラスウール16Kと同等の性能を持つとされてます。
https://www.afgc.co.jp/aclear/aclear_feature.html
アクリアマット厚さ90mmはフラット35基準でも、北海道の木造住宅の壁(大壁)80mm以上の厚みでクリアする数値なので、神奈川県地域の天井基準値35mm以上を大幅にクリアした仕様かと思われます。
また、2階の天井に設置された排気排熱ファン(V-20MEX3)の仕様では、天井面積50平米(約15坪)に1台の目安なので2台という数は天井面積をクリアしているのではないでしょうか。(添付画像)
https://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/air/products/ventilationfan/others/advantage_02.html
「では、なぜ2階が暑くなるのか?」
先ず、24時間換気システム(おそらく自然吸気・機械排気の第三種?)の設計時の計算値を図面でチェックしてみてください。
高気密住宅などでは機械吸排気の第一種換気システム仕様などにより、1-2階全体での流量計算をするケースがありますが、第三種換気システムにおいては1階と2階でそれぞれ分けて計算する(排気させる)ケースが多いと思います。
つまり、夏は1階の温まった空気が吹き抜けや階段から2階へ上がり、2階の換気システムだけで通常の空気の入れ替えが賄いきれず熱気が残る原因も一つかと思います。
確認方法として階段の入り口部分全体をビニールなどで遮断すると影響の有無が分かります。
また、屋根の上下方向だけでなく、横方向(南面と西面)の外壁材がため込んだ輻射熱が室内に影響することも考えられます。
既に温度計で2階の室温変化を測定されて素晴らしいと思います。
そこで温度計だけでなく「非接触式温度計」で各部屋の壁・天井の温度を測ることもお勧め致します。
室温以上の熱が石膏ボード面に輻射熱として確認できた場合は、柱や横架材が外壁を通じて熱を持っていると思われますので、外壁面や屋根材を含め「外断熱」する手法もご一考されては如何でしょうか。
築2年という未だ新しい物件で、断熱サッシ導入など初期設計思想は思ったよりしっかりしていると思いますが、施主様の五感と設計者の温熱思考のすり合わせは設計時の打合せが肝心であることを改めて教えられたご質問でした。
ご参考になれば幸いです。
回答専門家
- 齋藤 進一
- ( 埼玉県 / 建築家 )
- やすらぎ介護福祉設計 代表
子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅までやすらぎの空間を
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