対象:法律手続き・書類作成
今林 浩一郎
行政書士
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心神喪失者及び心神耗弱者
2010/06/16 01:58
結局、本人が統合失調症患者であるかどうかではなく、行為当時、刑法39条1項の「心神喪失者」及び同2項の「心神耗弱者」の要件を充たすかどうかで判断されます。ここで「心神喪失者」は「精神の障害により、行為の是非を弁識し、またはこの弁識に従って行動する能力のない者」(判例)と定義され、「心神耗弱者」は「精神の障害により、行為の是非を弁識し、またはこの弁識に従って行動する能力の著しく低い者」(判例)と定義されます。行為当時、「心神喪失者」であった者は処罰されず、「心神耗弱者」であった者は減刑されます。
もっとも、統合失調症=心神喪失者又は心神耗弱者ということではなく、実際の行為当時の本人の状態により判断されます。ですから、普段異常でも行為当時正気に戻っていれば、刑法39条は適用されません。また、事前に「心神喪失者」又は「心神耗弱者」の状態を利用して犯罪を実行する意図の下に自らを「心神喪失者」又は「心神耗弱者」の状態に陥れた場合には同条は適用されません(原因において自由な行為)。
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