先取り学習より教育の多次元化へ(2) - 幼児教育 - 専門家プロファイル

杉田 昌穂
青穂塾 塾長
大阪府
塾講師

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対象:子供の教育・受験

大澤 眞知子
大澤 眞知子
(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
大澤 眞知子
(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)

閲覧数順 2024年04月18日更新

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先取り学習より教育の多次元化へ(2)

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私はこの「学習指導要領」こそ諸悪の根元だと思っています。

たとえば新「学習指導要領」の小学3年生算数からほんの一部を引用してみました。(文部科学省ホームページより)
A 数と計算
(1) 整数の表し方についての理解を深め,数を用いる能力を伸ばす。
ア 万の単位について知ること。
イ 10倍,100倍,1/10の大きさの数及びその表し方について知ること。
ウ 数の相対的な大きさについての理解を深めること。

このようにどの学年で最低限何を教えるのか、決められています。ところが子供たちを教えてみるとすぐわかることなのですが、子供というのは千差万別で、一人として同じ理解度を示す子供はおりません。小学3年生でこの程度の内容であれば簡単に学習してしまう子もおりますし、全く歯が立たない子もおります。それを一つの基準で決めてしまう。

しかも小学3年生でこの内容を理解できない子供であっても、4年生になれば自動的に次の内容を学習することになってしまう。そこに無理と無駄があるのです。

子どもの能力を単一の基準で見ようとする考えはもう時代遅れではないでしょうか。多様な能力を持つ子どもたちにとって、有害な指標であると考えるべきではないでしょうか。

多様な能力を持つ子どもたちにとって必要なのは、多様な指標か、あるいは、指標をなくしてしまうことだと思います。

子どもたちの能力を車にたとえれば、スポーツカーもいますし、ワンボックスカーもいます。ダンプカーやブルドーザーのようなやつもいれば、人力車や、自転車、牛車のようなやつもいます。スポーツカーにはスポーツカーとしての役割を、ダンプカーにはダンプカーとしての役割を、人力車には人力車としての役割を教育すればいいのです。人力車などは時代遅れに見えますが、現在の観光地では、新しい価値観を持った乗り物として立派に活動しています。

スポーツカーも、ワンボックスカーも、ダンプカーやブルドーザーも、人力車や、自転車、牛車も、すべて同じことをする必要はないのです。

「学習指導要領」をなくしてしまえば、こんな不合理なことをしなくていいのです。

日本の子供たちを一つの基準で縛ってしまうのは、もうやめた方がいいのではないでしょうか。

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