恋愛セラピストのあづまです。
「変えられないことを受け入れる1」の続きです。
エリザベス・キューブラー・ロスの「死ぬ瞬間」がとても参考になります。
人が、受け止めきれない重大な事実に直面したときの反応は、エリザベス・キューブラー・ロスが接した、死に直面した患者たちの反応と基本的には同じものです。
1.否認
2.怒り
3.取引
4.抑うつ
5.受容
始めに、「そんな問題はなかった」と考えます(否認)。または、目をそらしていればいつか何かが変わるのではないかと空想します。
しかし、そうではないことに直面せざるを得なくなると「なぜ私がそんな目に遭わなければならないのだ!そこのあいつじゃなくて、どうして私が!」と怒りが湧く段階が来ます。
その次に、どうにかしてこの運命から逃れられる方法はないかとあれこれ探します(取引)。
しかし、やはり逃げ道はないのだと悟ると、今度は、永遠の別れに備えて心の中でお別れをしていきます。悲しみの感情(喪失感)を感じ切って吐き出す必要があるのです。この時期を抑うつといいます。
そして、最後に死への準備が整う「受容」の段階があります。この段階では、あまり他者との積極的なコミュニケーションを望まないこともあります。
NHK教育で取り上げられていた、ゲイの方のスクールカウンセラーの人が、もしも、受け止めきれない重大な事実に直面したときの人間の反応と、それに対する周りのサポートの仕方を知っていたなら、もう少し違った対応が出来ていたでしょう。
セクシャルマイノリティーである事実を受け入れて生きていくことは、ある部分では死を受容する旅に似ていて、ある部分では異なっています。重大な事 実で、すぐには受け止めきれないという部分では似ていますが、死ぬわけでもなく、その時に思いこみやすい「誰からも受け入れられない」ということも、事実 ではないのです。
もしこのコラムをLGBTのご本人の方が読まれていたら、誰か、気持ちに寄り添ってくれる人を見つけてください。身近な人で見つけられるのが一番幸 せですが、できなければカウンセラーなどの専門家でもよいと思います。そして、自分の感情をしっかりと感じきって吐きだしてゆき、最後は、希望を持って生 きられるようになるといいですね。
逆に、周りにLGBTの方がいらっしゃる場合は、周りのサポートとして、本人を決して見捨てないことが大事です。特に我が子がレズビアン・ゲイであ るという場合などは、サポートするための心の強さとゆとりを持つために、むしろ親がセラピストやカウンセラーのサポートを受けた方がよいかもしれません。 本人は親に受け止めてもらった方が何倍も気持が楽だと思いますので。
ここまで、LGBT(セクシャルマイノリティー)の特集を見て感じたことを書きました。
変えられない宿命のようなものを、受容して生きることは、決して簡単なことではないと思います。ただ、全く道がないわけではないのです。
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