転職理由：株式公開中止のため

経理担当の方の転職理由に「株式公開中止」をあげてくる方が時々います。

 
その公開中止の理由を聞いていると、腹立たしくなったり気の毒になったり。

◎　オーナーが当初『創業者利益』を目当てに株式公開を目指したが、そのプロセスでどうも『自分の財布代わり』だった経理をキチンとしなくちゃいけないことに気がつき中止宣言。

なんと『自分の好きにならないなら止めた』と公言するので自分のモラルが著しく下がった

◎「売り上げ数字も順調で監査法人の監査も終わりいよいよ公開にむけて申請した直後に監査法人の不正が発覚、差し戻しされた。(みずほ監査法人の事件です）

あとを引き受けてくれる監査法人を探し出せずに中止に追い込まれた。

公開にほぼ問題ないことから自分の後任を採用して株式公開に賭けたので、いまさら自分の仕事がなくなってしまった

◎「株式公開を本国の意向で中止した。
本国からGOサインが出たときには、もう業績が降下しており公開基準に達しなかった

　なんか、ほかにもあったな。
「えっ、そんなバカな話があるんですかっ」ってことが。

そして、昨今は

●Business Media 誠
上場を中断・延期した企業の87.6％、「株式市場の低迷」が理由
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0904/24/news088.html

昨年４月の記事ですが、状況はさらに悪化しています。

ここらへん「公開のチャンスが悪いタイミングでやってきた」と割り切り、市場が悪くても一気に公開に持ち込んだほうが良いみたいです。

公開のチャンスがあるときに、行わないと「次のチャンス」がなかなかやってこないからなんだそうです。

「株式公開の経験を積みたい」との一途の思いから転職した先が、かような理由で中止に追い込まれる。

なかなか運不運があるようです。

ただ「株式公開中止」を安易にあげると「当社も中止になると辞めちゃうのか」「公開を狙って転々と」との印象を与えるので得策ではありませんよね。