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文章は点描画に似ている

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■2005.10.27(thu)
文章は点描画に似ている。
バラバラに置かれているとき、コトバは記号。
コトバとコトバを隣り合わせて並べてみることで、意味が生まれてくる。
どのコトバを沿わせるか、隣との関係で、意味が変わる。
順序や配置を少しズラす。小さな一手でもニュアンスが変わる。
コトバのひとかたまり、文章。
文章のひとかたまり、段落。
それらを入れ替えてみると、また変わる。
ニュアンスどころか意味が変わる。
また、そんなに大きな配列の組み替えをしなくても、
たった一点のニュアンスひとつで、イメージが変わり、
すべての意味がひっくり返ってしまうようなこともある。
例えば、お詫びの手紙を書いたつもりが、ほんの少し混じった自己弁護のニュアンスが、
余計に嫌な印象を与えてしまって、火に油を注ぐことになった。
なんてことも珍しくないだろう。
コトバは抽象的な世界。
それを具体的な意味の届くものとするのは、実は大変なことだ。
小さなニュアンスのひとつが、全体の意味を変えてしまう決定的なエラーとなる。
どれだけ悩んで組み立てた文章でも、自分を表すジャストなものには成り得ない。
極力近づけるということしかできない。
納得できるところまで、妥協できるところまで、あーでもないこーでもないと繰り返す。
コトバも絵も、おそらくきっと音楽もそうだろう。
アウトプットした側のおぼろげな感覚を、
記号を用いてある程度の具体的なものとして伝達し、
受け手は、受信したその記号を自身のなかで再構築する。
FAXの送受信みたいなもんか。
雑に扱えばそれなりの結果だし、
誤差の少ないように取り扱おうと思うと、
えらい大変なことになる。
コトバを自由に扱えるようになるまで、僕はまだまだ時間が掛かりそうだ。
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森や山と人、地球が健全に回っていく様子を見届けたい。 木を街に届け人の営みに森をもたらし木が、森が、地球が、生命が、人が、そして星々や宇宙までもが響あいはじめるそんな木の建築空間宇宙の意図が起動する響きあう木の空間をつくろう