
- 宇多 藍子
- UNIVAST Education代表、スパイスプラス主宰
- 東京都
- 英語講師、教育者、講演家
こんにちは、英語講師の宇多です。今日は私の得意とする、英語の発音のコツについてお話しようと思います。
■「F」と「V」の音
日本人にとって難しい発音のTop3にはいるものが「F」と「V」です。
この「F」が「H」に、そして「V」が「B」になってしまうのが、日本人の発音のクセです。実はこの「F」と「V」の音、声が出ているかどうか(有声音か無声音か)という差があるだけで、それ以外の舌の位置や唇の形は、ほとんど変わりません。
その発音方法のよくある説明が、下唇を噛むというものですね。皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。
■下唇はかみません!
率直にいいましょう。下唇は噛みません。噛むと言う動作は、上下の歯でものをぎゅっとはさむことですね。そんなことをしていたら、口がいそがしくて、会話どころじゃないと思いませんか。試しに本当に下唇をかんで「Fifty five」といって見てください。一生懸命かみながら話すのは、到底無理な話なんですね。
■「F」と「V」の正しい音の出し方
唇の位置
では「F」と「V」の音はどうやって出すのか。私たちは口を閉じるとき、下唇をひょいっと上げて、上唇につけている(はずです)。何回か鏡を見ながら、意識してやってみましょう。
次に、今度はその下唇を同じように上げて、上唇のかわりに上前歯に軽くつけてみてください。これは、唇にほとんど余計な力をかけずに、できるはずです。
さらにもう少し詳しくいうと、当然のことながら上前歯は、上唇よりも内側にありますね。だから、上唇が下唇に触れる部分と比べて、上前歯が触れる部分のほうが唇の内側になっているはずです。下唇というよりは、下唇の内側といってしまってもいいでしょう。
下唇を内側に巻き込む必要は全くありませんので、注意してくださいね。
さぁ、息を吐きましょう
では、この下唇が上前歯についている形で、ため息をつくように「ふぅー」と息を吐いてみましょう。これか正真正銘、「F」の音です。これを使って「Food」「Finish」「Phone」と言ってみましょう。いかがでしょうか。
それなら「V」はどうでしょう。実は「F」と「V」は同じ口の形です。「F」は無声音、「V」は有声音といって、息が出るときに音も一緒に出ているかの差があるだけ。「F」と同じ唇で、「ふぅー」吐息を吐くと同時に、「うー」と言ってみてください。「V」の音になっていますか。「Vast」「Van」「Vancouver」といえるはずです。
■最後に
確かに、この発音を学んだ人がそれを説明する言葉に、噛むという言葉を使ったのはわからなくもないですね。イメージ的にはかむという説明があっていたのかもしれません。
しかし、まじめに本当に噛んでいては話せません。噛むイメージで触れさせるように心がけましょう。
実際に、映画でも海外テレビドラマでも、ネイティブスピーカーを見てみましょう。下唇を内側に巻き込んで、一生懸命唇を噛んでいる姿は見ることはあまりないですね。
せわしなく口を動かさずに「Fifty five」がいえる人が増えることを祈って。
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