- 晝間 康明
- ひるま矯正歯科 院長
- 歯科医師
対象:一般歯科・歯の治療
矯正歯科の歴史:第5回目は,矯正歯科治療における方針を決定する矯正歯科診断の変化について御説明します.
矯正歯科治療の目的は,歯並びをきれいにして良く噛める状態にする事です.
この目的は,矯正治療の草創期においても現代においてもあまり変わりは無いでしょう.
ここまで説明してきたように,矯正歯科治療に用いる装置は様々な変遷を遂げてきましたが,さまざまな治療の効果を客観的に評価する必要がいつの時代にもありました.その方法として頭部のX線写真を規格化して撮影する「頭部X線規格写真(セファログラム)」が開発されました.頭部X線規格写真の撮影法や撮影された画像に対する分析法が発展なくして矯正治療の進歩はなかったと言っても過言ではないでしょう.
頭部X線規格写真は,撮影条件を規格化する事で撮影時の頭部形態の再現性を高めます.その結果,人種間や性別における横断的な頭部形態の分析や平均値の測定,個人における頭部の成長発育による形態変化の評価も可能となったのです.
規格化された撮影方法は,精度は大きく改良されたものの1930年頃に確立されてから大きな変化はありません.
撮影の際,頭部をイヤーロッドという小さな出っ張りを外耳孔(耳の穴)に挿入して固定し,イヤーロッドの中心をX線が通過するように撮影します.
また,X線を照射するX線管口から左右のイヤーロッドの中心までの距離を一定にする事で,画像の拡大率も一定になるように設定されています.
実際の撮影法を私が行なった時の写真と頭部X線規格写真(私のものではありません)も掲載しますので参考までに
・・・・つづく