創立75年の歴史を持つ、谷桃子バレエ団の「SWAN LAKE(白鳥の湖)」を拝見して ③ - 文化・芸術全般 - 専門家プロファイル

舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
東京都
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創立75年の歴史を持つ、谷桃子バレエ団の「SWAN LAKE(白鳥の湖)」を拝見して ③

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それでは今回は、


創立75年の歴史を持つ、谷桃子バレエ団の「SWAN LAKE(白鳥の湖)」を拝見して ①

創立75年の歴史を持つ、谷桃子バレエ団の「SWAN LAKE(白鳥の湖)」を拝見して ②


の続きとして、先日拝見させて頂いた谷桃子バレエ団の「SWAN LAKE(白鳥の湖)」の主役を演じられた三組の方々と、悪魔ロットバルトのお三方に付いての私の個人的な感想をお届け致しますが、


前回・前々回の記事でもお伝えした様に、感じ方にはそれぞれ個人差がありますので、あくまでも「私の個人的な感想」として、今回も私らしく"歯に衣着せぬスタイル"で書かせて頂く事をご了承頂けますと幸いです。

☆_(_☆_)_☆





ではまず最初に「悪魔ロットバルト」の感想から参ります

(^^✿


13日昼に悪魔ロットバルトを演じられた三木雄馬さんからは、この役に相応しい非常にダイナミックで重厚な存在感が感じられました。


特に4幕での断末魔のシーンでの迫真の演技は、今回悪魔を演じられたお三方の中で、私的には一番見応えが有ったでしょうか。(※この"めちゃテンションの上がるクライマックスシーン"が大好きな私は、昔からこの場面には結構うるさい。笑)


13日夜にロットバルトを演じられた齊藤拓さんも、三木さんとは又違う雰囲気と存在感と味が有り、その奥行きのある"内に強さを秘めた大人の演技力"はとても素敵だっただけに、最後の断末魔のシーンは「もっとやっちゃっていい」と個人的に思いました。(※感じ方には個人差があります)


そして14日にロットバルト演じられたのは、ナ・ナ・ナント13日昼に王子ジークフリートを演じられた今井智也さんですが、正にプリマバレリーナが白鳥と黒鳥のキャラクターを演じ分ける様に、今回の彼はこの対照的な役柄を、非常にダイナミックにキレッキレに見事に演じ切っておられて、私は大変魅了されました。





ではここからは、主役を演じられた方々の感想に参ります~☆彡

(^^✿


13日昼に主役を演じられた永橋あゆみさんと今井智也さんは、お二人とも「心で踊る」がモットーの谷バレエ団の主役に相応しい、非常に優雅で品のあるプリンシパルダンサー&アーティストであると私は感じました。


永橋さんは現在「子育てされながらバレエを踊る」という過酷な環境におられて、そして公演前に足を痛められていたという事を、公演前の谷桃子バレエ団のYouTubeで私は拝見しておりましたが、


本番の舞台では「流石プロフェッショナル!」を感じさせてもらえるコントロール力で、見事に優美にとても素敵に二役を演じ切っておられました。又それを支えた今井さんのサポートと奥行きのある表現力にも、私は盛大な拍手を送りたいと思います。


私は今回、主役の配役が違う全ての舞台を拝見させて頂きましたが、永橋さんが踊られた時の観客から送られた全幕を通しての拍手は、今回の舞台の中で一番温かかった様に思いました。


そしてそこから「彼女は芸術を深く理解されている多くの方達にとても愛されておられる、人間的にもきっと素敵な面を沢山持たれたプリマバレリーナの方なのだな」という事を感じました。


出産後という事も含め、肉体的に感覚が変化する時期に差し掛かっておられる彼女に対して、YouTubeでは色々な意見を述べる方もおられますが、


私は彼女に情熱がある限り、環境が許す限り、誰に遠慮する事なく踊り続けて、故・谷桃子さんがそうで在られた様に、年齢的なものなど全て掻き消えてしまうその奥深い表現力を、後輩達に背中で魅せ続けて頂きたいアーティストという事を今回の舞台で思いました。


ちなみに今回の「白鳥の湖」のパンフレットでの彼女のポートレートは、まるで女優さんの様に美しい表情があって、オデットとオディールのそれぞれの一枚の写真からストーリーが伝わって来る様で、部屋に飾りたいと思えるほど魅力的だと私は思いました~☆彡

( ・・) ~ ☆彡☆彡☆彡





ではここからは、13日夜に今回ゲストプリマバレリーナとして主役を演じられた、バーミンガムロイヤルバレエ団のプリンシパルである平田桃子さんと、谷桃子バレエ団のプリンシパルである牧村直紀さんに付いての感想に参ります。


これは永橋あゆみさんと今井智也さんのペアにも感じた事でもありますが、このお二方のパートナーシップには「大人の演技力から来る洗練された魅力」が有りました。


本物のアーティストの方々がペアになって織りなす「ドラマティックな愛の物語」を、今回私は理屈抜きに心から堪能させて頂く事が出来ました。


今回に限らず、私が舞台を観る時というのは、何の先入観も持たない様に心を真っ新にして拝見するのですが、やはり元ダンサーであるが故に、踊る方によっては「自分ならこう表現したい」と感じてしまう事が自然に出て来てしまうという事も正直多いのです。


でも13日の昼・夜の舞台では、本物のアーティストである主役の方達が、それぞれに創り上げられた「白鳥の湖」の世界を、今回私はそれぞれに心から味わい堪能する事が出来ました。


ちなみにこのバレエの黒鳥オディールを演じるに当たり、悪魔の娘というキャラクターを全面に押し出す様にメリハリをハッキリと出すダイナミックな演出もあれば、「王子をオデットと信じ込ませるオディール」として、映画風に繊細に奥深く演出されるバージョンに分かれる様に思いますが、


谷バレエ団の演出は、後者である様に私は感じました。





ちなみに、私はこの舞台の前に配信された、平田桃子さんが取材を受けられていた「谷桃子バレエ団のYouTube動画」がキッカケで心を動かされ、そこから最終日にプリマとしてデビューされる森岡恋さんの日だけでなく、永橋あゆみさんも含めて「今回の舞台を全てハシゴする」という思いに至った訳なのですが、


平田さんの今回の生の舞台を拝見して、私は改めて「本物の実力を持った素晴らしいアーティスト」という事を思いました。


彼女はイギリスの有名なバレエ団で認められ、そしてそこで何年間もプリンシパルを務められておられるに相応しい、バレリーナとしての容姿も、高度なテクニックも、踊る心も知性も具わった「別格のバレリーナのお一人」であるという事を私は思いましたし、


そしてその彼女と一緒にペアを組んでも、何の遜色も違和感も感じない牧村さんも、真の実力を持たれた奥行きのある非常に魅力的なプリンシパルダンサー&アーティストだなと私は思いました。


そしてそれはきっと、平田さんと牧村さんがそれぞれ持たれている「大人で謙虚なお人柄」という事から生まれた素敵なパートナーシップであった様に思います。

(^^✿





ここからはちょっと話が脱線致しますが、


そんな素敵な平田桃子さんであるにも関わらず、私が踊り以外で気になった事があったので、今回余談として「私ならではの視点から観える、私の思う日本のバレエ界」に付いてお伝えしようかなと思います。


その私がちょちょっと勝手に気になった事とは、


公演前に取材を受けた谷桃子バレエ団のYouTube動画の中で、平田さんがインタビュアーの方から「バレエ習ってる子どもたちは、平田さんのSNSが見たいと思っているのでは?」という質問に、彼女が「どうでしょうね。誰が見たいんだろう・・・と客観的に思います」と答えられておられた事。


彼女が現在持っておられる悩みとして、動画の中で「ダンサー引退後の第二の人生に付いて以前から考え悩んでいる」という事をお話しされていた事から、私が勝手に「これだけのキャリアのある人を受け入れる場所が、日本のバレエ界には無いのだろうか?=日本バレエ界あるある」と私が勝手に感じた事。


13日夜に彼女が全幕を見事に踊り切り、スタンディングオベーションが物凄い盛大な拍手の中、昼の舞台にはお姿を現す事の無かった、谷桃子バレエ団の芸術監督である高部尚子さんが、多分サプライズとして彼女に華やかなピンクのバラの花束を舞台上でお渡しした時、驚いた彼女がそれを受け取った後に、隣におられたパートナーの牧村さんに、その花束をお譲りしていた事。


の3点があります。


ここから私が、あくまでも勝手に感じられた事は「彼女は日本のバレエ界の陰湿さと言うものを、今まで沢山味わって来られた方なのではないか」という事でした。


例えば今回舞台で芸術監督から受け取られた花束は、本当は「ゲストプリマバレリーナが受け取るに相応しい花束」であり、「それが普通であり自然な事」であるにも関わらず、


サプライズに驚いた彼女に「咄嗟にその様な気を遣わせた」のは、「一体何から来ているのか?」という事でした。


そしてそこからもう一つ私が勝手に感じたのは「平田さんから花束を譲り受けた時に、紳士的に受け取られた牧村さん」が感じたであろう、「表には見せなかった複雑な戸惑い」というものでした。


以上が今回私が勝手に感じた、個人的な憶測による「踊り以外に気になってしまった事」でございます。

☆_(_☆_)_☆





では最後に、今回14日の主役に大抜擢された、谷桃子バレエ団の期待の新人プリマバレリーナである森岡恋さんと、もうすでにこのバレエ団のスターダンサーであると思われた森脇崇行さんに付いてですが、


このお二方に付いては、先に書かせて頂いた記事の中で、すでにお伝えさせて頂いた、


↓       ↓       ↓


今日の舞台、昨日の昼・夜のお二方のベテランプリマバレリーナとは違い、若さ故のコントロール力の弱さを感じた舞台だった。全幕物の主役を張るには、やはり場数を踏む経験がものを言う。でも彼女には伸び代があるので、これから楽しみなダンサーだと私は感じた。


一方王子役の若手ダンサーの方は、テクニック・演技・踊りへの情熱・コントロール力・舞台マナー含めた品格等々、全てに素晴らしいと私は思った。彼は今の時代に珍しい繊細さを持つ「真の実力を持つ天才ダンサー」だなと感じた。全幕を通して非の打ち所がない。本当に素晴らしかった~☆彡


彼を育てた教師の方に、私は敬意を払う。


今日の舞台全体から受ける波動は昨日とはかなり違った。何となく「オリンピックに魔物が潜む」というものに似た雰囲気を感じたし、そこから色々なものが受け取れた。でもだからこそ主役を演じるダンサーは、そうしたものに打ち勝てる強さが必要になる。今日はそんな事を感じた舞台でした。



に集約されていると思いますが、


「クラシックバレエの神髄」とも言われる二幕に於いての森岡恋さんのオデットは非常に初々しく、若さ溢れる気品と王女らしい威厳のあるオデットを見事に踊り切った彼女は、本当に素晴らしいと私は思いました。


オディールも決して悪くはないけれど、先に踊られた先輩であるベテランプリマバレリーナの方達の様な「安定した繊細な技術コントロール力」が、これからの彼女の課題の様に私は思いました。


私は彼女のオデット&オディール両方に非常に好感を持ちましたが、強いて言えば「オデットとオディールの演技をそれぞれ際立たせる工夫=表現力の配分」の工夫をもっと緻密にすれば、更に魅力的かつ魅惑的になるという事を個人的に思いました。


そして王子役の森脇崇行さんに付いては「彼はすでにスーパースターダンサーである」という、この一言に尽きます。


彼の洗練された本物の技術力と共に、その繊細さと大胆さの両方を持ち合わせている彼のアーティストとしての感性の素晴らしさに、私は「大物アーティスト」の片鱗を感じました。





・・・と以上が、今回拝見した谷桃子バレエ団の「SWAN LAKE(白鳥の湖)」の私の個人的な感想でございました~☆彡(※何度も申し上げますが、感じ方には個人差があります事をご了承下さいませ)

☆_(_☆_)_☆


今回の舞台から「バレエ団のイメージ」として私が感じた事は、健康的な女性らしさと男性らしさがダンサー達から自然に感じられて、観ていて非常に心地好かったという事でしょうか。


奥深く芸術を理解されておられるベテランの先輩ダンサーの方達に見守られながら、若手のダンサー達が伸び伸びと活躍出来る、そんな将来性を感じられる「非常に伸びしろのある楽しみなバレエ団である」という事を、今回の舞台を通して私は思いました。

(*^^*) ~ ☆彡☆彡☆彡







長年バレエから遠ざかっていた為、今のバレエ界には"浦島太郎状態"でもある私が、久々に観させて頂いた今回の「SWAN LAKE(白鳥の湖)」全幕公演でしたが、


本当に色々な発見があって、非常に見応えがありました~☆彡

(*^^*) ~ ☆彡☆彡☆彡


ちなみにどちらの日だったか忘れてしまいましたが、私の席の隣の並びに、どうやら谷桃子バレエ団のYouTubeを観て、生まれて初めてバレエを観に来ているらしい「男女の若者軍団」がおりました。


彼らは"日頃慣れていない正装"という感じで、まるで「成人式」の様にオシャレして「何処で拍手をするのか」とか、終演後は「俺達みたいに話したり、声出したらいけないンだね」とか、色々と勝手に勉強していた様で、


凄く微笑ましかったです♫

(^^✿





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舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ

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長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年