下側は大きなデスクになっていて、書類やオモチャを思う存分広げることができます。
ハシゴで昇ったデスクの上にはベッドがあり、珪藻土の壁にあいた3つの穴から台所の様子を覗けます。逆に、台所側から子供の気配をうかがうことができます。(左写真)
基本的には、引きこもれないようにオープンな空間ですが、デスクの横に格納された浅い本棚を引くと引き戸代わりにもなり、ささやかなプライベートスペースを確保することができます。
とっても小さな空間ですが、そこにはいろいろな要素が凝縮されていて、子供にはたまらない空間のようです。机やベッドの反対側はバルコニーにつながる大きな窓になっていて、ベッドからはエイの泳ぐ運河を眺めることができます。
たとえ部屋が小さくても、一歩外に出れば図書館もあるし公園も美術館もある。すべてを家の中に期待するのではなく、町全体を住まいと考える、このようなアウトソーシングの考え方は「都市に暮らす」ひとつのスタイルといえるのではないかと思います。
村上建築設計室