＜歯科医師監修＞親知らずの抜歯の治療費用はどのくらい？

1.抜歯の際の治療費の料金体系は？

　抜歯の値段だけではなく歯科治療全般に言えることですが、治療費用の料金体系は、怪我や病気などに対する健康保険が適応される保険診療のものと、美容目的の医療などの健康保険が適応されない保険外診療（自費診療）のものと、大きく2つに分かれます。

　親知らずの抜歯の場合ならば、ほとんどのケースは国民健康保険や社会保険などの健康保険でカバーされる治療内容になると思います。

　保険診療の場合は同じ処置内容であれば全国一律で値段が決まっています。但し、処置以外に医療機関を受診した時点で発生する初診料や再診料、療養上で必要な説明を行ったり、治療計画を立てた時の指導料、お薬が出れば処方料や調剤料、レントゲン写真の撮影料と診断料などが処置費用以外の診療費として請求されます。これらは医療機関の施設規模や診療体制により若干異なります。そのため、後述する抜歯費用には多少の幅があり、「だいたいの金額」と考えてください。

＜歯科医師が解説＞「歯科疾患管理料」って何？領収書・明細書の謎

https://profile.ne.jp/pf/yiida/c/c-64309/

2.親知らずの抜歯の治療費は生え方や抜歯の難易度で変動する

　親知らずを抜く際の費用は生え方や抜歯の難易度により、4通りの値段設定があります。

1）歯根も真っ直ぐで容易に抜歯できる歯：260点（780円）

2）斜めに生えていたり、根が曲がっているなど難易度が高い抜歯：460点（1380円）

3）ほとんど埋まっている親知らず：1000点（3000円）

4）埋まっていて横向きの親知らず：1100点（3300円）

※診療報酬点数は1点＝10円でカッコ内の金額は保険証の負担額が3割負担の場合

https://profile.ne.jp/pf/yiida/c/c-120330/

　親知らずがまっすぐに生えている場合は処置は非常に素早く終わります。局所麻酔をして抜歯、縫合をしても10分程度で終わることが多く、先述の処置費用以外の請求額を含めても2500円程度で済むと思います。埋まっている親知らずなどで難易度が高い抜歯の場合は4000円から5500円ぐらいにはなるかと思います。埋まっている親知らずで抜歯にいろいろなリスクが伴うと予想される場合は、大きな病院の口腔外科を紹介されるケースもあり、この場合は紹介料や病院の初診料などもかかるため、合計すると1万円くらいの出費になるかもしれません。

　保険診療の料金体系が大変複雑なルールで計算されるために、担当医や受付事務に患者さんが「いくらか？」と尋ねても、おそらくは即答できないはずですから、だいたいの目安として参考にしていただければと思います。