製作されたのは、デザインより古くとも大正中〜末期だが、ガラスをみると昭和初期。製作者は不明。
このステンドグラスは先代からご長男が受け継いだもので、そのまた従兄弟が譲り受け、八ヶ岳の別荘へ。既存枠より撤去すると、劣化していた鉛が切断し、中央直線部で2つに折れ曲がるほどの損傷具合で、別荘への移設の際に一部組み替えをし補強をすると見事に頑丈になった。
3代というと少々大袈裟だが、(公共施設はよく補修をするが、)久しぶりに個人物件で補修をしながら生き続けるステンドグラスを目の当たりにし、改めて自分の仕事の大切さ実感した。
この辺はヨーロッパ人ともスピリットを持っているようだ。
オーナーはステンドグラスにとても関心を示され、移設後に、どのようなステンドグラスなのかを簡単なA4サイズの解説書を作成し送ったのだが、それを額に入れてステンドグラスの横に飾るとのことで、これだけ大切にされたらステンドグラスも幸せだろう。
自分の作ったステンドグラスもこのように大切にされたらいいと思う。