吉本 彰夫
ヨシモト アキオグループ
歯周病は感染症です(その5)
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歯周病は感染症です。
感染に対する対策を行なわないと治りません。
歯周病の治療においては、「まず検査が必要」歯周病の歯周病菌の種類を診断する検査です。
歯周病は感染症であり、歯周病菌の存在なしでは発症することは絶対にありません。
一般に診断名によって治療方針が決定され、治療が行われますが、その診断名を決定するためには
検査が必要です。
といった流れになります。
ここでの検査とは、もちろんレントゲンや歯周ポケットの計測も行います。
しかし、これらでわかることは歯周病のバクテリアや噛み合わせなど過去に起こった歯周組織の破壊だけです。
なぜそのような疾患になったか、そして予後がいいのか悪いのか、何年保つかなどは全くわかりません。
ですから、原因を見つけ治療方針を決めるためにも感染症では歯周病菌検査が必要なのです。
かつて、胃潰瘍や十二指腸潰瘍がピロリ菌感染とまだ分かっていないとき、最初は胃の全摘出や潰瘍の
内視鏡治療による切除、あるいは薬による対症療法が中心でした。
しかし、現在は検査によってピロリ菌の存在が分かれば、除菌治療によって完治させることも可能ですし、
その後の胃ガンなども発症前治療が可能です。
歯周病も全く同じです。
まずは歯周病を重症化させる歯周病菌が存在するかしないか、いた場合は除菌治療を、いない場合は
生活習慣病や咬み合わせの要素のほうが強いですから、生活習慣の変更の指導と治療を行います。
その後、破壊された組織にたいして施術をおこないます。
流れはこんな感じになります。
現在、ほとんどの歯科医院では歯周病の治療には「歯石を除去する」という治療が一般的です。
「歯周病ですので、数回にわけて歯のお掃除をしていきましょう。」と言われたことはないでしょうか?
そこで、歯石を除去すること、これも一日で一回で、全部除去すること、
これは日本の保険制度では認められていません。
また、歯茎の深いところ、これは麻酔をしないと痛くてできません。
一度に何本の歯もできません。ちょっとづつ何回にもわけて行なうしかできません。
一般的な歯科医院では、お口の中を4ブロックくらいに分けて「今日は右上」「来週は右下」「再来週は左上」・・・といった流れでお掃除を進めます。
しかし、思い出してください。
歯周病は感染症です、とお伝えしました。
今日、右上の部分をお掃除してピカピカにしても来週右下をお掃除するまでには口の中に残った歯周病菌が
また綺麗にした部分に移っていくわけです。
つまり、いたちごっこ、なんですね。
これが歯周病の怖いところです。
歯を失う原因のほとんどが歯周病だというにもかかわらず、日本の保険制度では
・ 細菌を調べる
・ 薬を飲む
・ 一度に掃除する、または予防する行為に対しては一 切保険は認められていない、
という現実がここにあります。
医者さんに行って「歯周病なんて一言も言われたことなかった」という方が圧倒的に多いのは
そこにも原因があるんですね。
保険診療では治せないので「あなたは歯周病です。治療しましょう」なんて言えないわけです。
歯科医師としても治して欲しいと言われても治してあげられない現実があるんですね。
じゃあ、一体どうやって歯周病にならないようにしたらいいの?
歯周病になってしまったらどうしたらいいの?
「歯周病、歯槽膿漏、歯周炎」のコラム
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