小笠原 隆夫
オガサワラ タカオ人事考課に360度評価を取り入れる際の注意点
法人・ビジネス 人材採用 2008/05/08 10:40従業員30名ほどの会社で人事の担当をしているのですが、各部門の長が行う部下の評価に、少なからず主観が混ざっているように感じています。人間関係なども関連しているのだと思いますが、より評価を多様化させるために360度評価を導入することを検討しています。しかし、評価側の人数は増加するものの、必ずしも評価の質が伴わなかったり、主観的な評価が全て解消されるわけでは無いとも思っています。360度評価導入のメリット、デメリットなどはどの辺りにあるのでしょうか?
※この質問は、ユーザーの方から事前にいただいたものを、専門家プロファイル が編集して掲載しています。
All About ProFileさん
導入は自社状況を踏まえ、慎重に判断を。
360度評価は実施することにより、部下や同僚などを含めた一方的でない複数の視点での評価を得られ、それを活用することでお互いの信頼関係が確認できたり、自分の課題が認識できるようになれば、それがメリットになります。
逆に一番の問題は、評価することに慣れていない人や被評価者を評価できるほどの接点がない人、上司に不満を持っているような人が評価者になる可能性があるということで、評価の客観性を歪める要素が通常の人事考課より格段に大きくなるのではないかと思います。
360度評価をうまく機能させるためには、評価の活用方法に配慮したり、評価訓練をするなど、運用上の工夫が必要です。特に周囲すべてから評価される管理者のストレスは相当のものですし、360度評価を行ったことでかえって社内の人間関係を阻害してしまったと言う話も聞きますので、導入するのであればより細かな配慮が必要であると思います。
当然運用する負荷も大きくなりますので、それほど手間をかけて実施するメリットがあるのか、評価者となり得る者のスキル等、自社の状況を慎重に判断することが必要であると思います。
以下のコラムにもコメントしていますので、参考にご覧頂ければと思います。
関連コラム:360度評価は良い仕組みか?