西島 正樹(建築家)- コラム「【シックハウスケアの住宅】-3(終)」 - 専門家プロファイル

西島 正樹
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西島 正樹

ニシジマ マサキ
( 東京都 / 建築家 )
西島正樹/プライム一級建築士事務所 建築家
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【シックハウスケアの住宅】-3(終)

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マスメディア・コラム 2013-08-12 18:14

【シックハウスケアの住宅】の最終回です。

 

5.  使用部材の吟味

 2つめの柱である「汚染源を減らす」ためには、使用材料を検討する必要があります。自然素材を使えば危険は減りますが、コストアップを覚悟しなければなりません。予算に合わせて、どの部分を自然素材にするか、部位ごとに選択し、実現可能な範囲で少しでも危険性を下げていく必要があります。

 家を支える柱や梁は木ですが、流通している木材のほとんどは化学物質で防腐処理されています。また無垢でない集成材や合板には接着剤が使われています。壁や天井内にほどこす断熱材はグラスウールなど化学物質がほとんどです。これらの見えない材料まで自然素材に徹するとかなりのコストアップとなります。

 仕上材は、直接室内に面するので、まず手をつけるべきでしょう。ビニルクロスのかわりに珪藻土などの左官壁にし、床には無塗装の無垢フローリング材、塗装は柿渋などの自然素材を使うことが考えられます。ただし自然素材は経年変化が大きく、ひびが入ったり数年で色合いが大きく変わります。また防蟻材や塗料に関しては化学物質に比べて自然素材は耐久性が劣るため、より頻繁なやりかえが必要です。家は建ててしまえば放っておいていいものと考えず、繰り返し手入れをしていくことで、味わい深く年を経ていくものと考えてはいかかでしょうか。

 

 

6.  施工業者との協力

 設計段階で考えつくした家づくりも、施工業者が意図を理解しないといい家は実現しません。家づくりに関わる多くの職人に的確に施工してもらうためには、職人を束ねる現場監督や棟梁がシックハウス問題を正しく理解し、各職人に的確に伝えることが大切です。また、化学物質の発散は時間とともに減少していくので、完成直後に引っ越すのではなく、2週間程度経ってから住み始めることで被害はだいぶ緩和できます。

 このように設計から施工までこまかな配慮が求められるシックハウス対策ですが、家は生活を支える基盤です。じっくりと取り組んでいきたいと思います。  (初出 住宅新報2011年3月8日号)

 

 

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