西島 正樹(建築家)- コラム「【シックハウスケアの住宅】-1」 - 専門家プロファイル

西島 正樹
一人ひとりの生き方と呼応し、内面を健やかに育む住宅を

西島 正樹

ニシジマ マサキ
( 東京都 / 建築家 )
西島正樹/プライム一級建築士事務所 建築家
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【シックハウスケアの住宅】-1

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マスメディア・コラム 2013-08-08 16:56

これまでマスメイディアで書かせて頂いた原稿を、順次HPにUPすることにしました。

 

プライム ホームページ

http://www.ne.jp/asahi/prime/nishijima/profile/profile.html

左下の【家づくり 大切なこと】をクリック下さい。

 

こちらのコラムにも合わせてアップします。

まずは、

【シックハウスケアの住宅】 (初出 住宅新報2011年3月8日号) 

 

(原稿が長いので、段落毎にアップします。)

 

 

  社会問題ともなった「シックハウス症候群」。その原因は建材の化学物質やカビが空気を汚す

  ことにありました。シックハウスにかからない家づくりを実現するためには、通風や換気を配慮

  したプランづくりから、素材の吟味、予算の調整、そして確実な施工まで、きめ細かな配慮が必

  要になります。また、建てた後の経年変化や、手入れの回数が増えるなど、自然素材ならではの

  特徴があります。健康に住み続けられる家づくりの基本を紹介します。

 

1. シックハウスとは?

 「新築の家に引っ越して体調を壊した。」 こんな話を聞いたことはありませんか? かつては「引っ越しで疲れたから」とか「環境が変わったせい」などといわれましたが、実は住宅内の空気汚染が原因だったのです。建材や家具から発生する化学物質やカビ・微生物が空気中に発散し、それを吸い続けることで発症する、めまい・倦怠感・頭痛・湿疹・のどの痛み・呼吸器疾患などを総称して「シックハウス症候群」いいます。他の病気と区別がつきにくく、個人差が大きいのが特徴です。

 

2.  原因はどこに

 住宅内に化学物質が多量に使われるようになったのは、1960年代の高度成長時代からです。それまで使われていた木・土・わら・石といった身近な自然素材は、有機系塗料やプリント合板、ビニルクロスなどの「新建材」の安さや施工の簡便さに押され、消えていきました。しかし「新建材」の人体への影響については、多くの人が健康を害するまで注目されませんでした。また、省エネルギーのため住宅の気密性が高まったことで、シックハウスの被害はさらに広がりました。症状は体の弱い人ほど現れやすく、子ども室の増築によって子どもが発症するなどの悲しい例もおこりました。

 このような中、法律で、有害物質を含む建材や防蟻材の使用制限や換気の徹底などが定められました。現在では流通する建材のほとんどが最も有害物質の含有量が少ないフォースター(4つ星)というグレードであり、事態は改善したといえるでしょう。

 化学物質としてあげられるのが、合板や接着剤に含まれるホルムアルデヒド等の有機溶剤、接着剤や塗料の溶剤であるトルエン・キシレン等の揮発性有機化合物(VOC)、防蟻材に使われる有機リン化合物等です。これらの主な化学物質13種について濃度指針値が示されていますが、体質によってはごく微量でも発症するため、指針や基準を満たしているから安全とはいい切れません。また、建材だけでなく、クリーナー・芳香剤・化粧品等が発症の原因となることもあります。

 

(つづく)
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