森本 直人
モリモト ナオトグループ
増税回避の秘策はあるか
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依然として、増税問題がくすぶり続けています。
政府の2011年度予算編成は、消費税増税の議論が
後退したため、財源確保に相当苦しんでいる様子です。
また、政府は他にも円高・株安、雇用対策などの
問題を抱え、にっちもさっちもいかない状況です。
これらの問題は、実は、すべて、デフレの問題と
つながっているように思えます。
具体的な現象が、個人消費の冷え込みです。
最近は、モノやサービスの値段が崩れ始めていることを
実感している方は多いはずです。
実際、同じ品質のモノやサービスが
安く売られていたら、誰だって安い方を買いたい。
それが、合理的な判断です。
ただ、モノやサービスの生産に携わっている
人たちの努力を想像すると心苦しくもあります。
そこで、個人的に思ったのが行き過ぎた値下げ合戦は、
法律で止めるしかないのではないか、ということです。
例えば、「過当競争防止法」みたいなのを作る。
独占禁止法にも「不当廉売」の考え方があるようですが、
実際、大手が、薄利多売方式で市場を独占してしまうと
中小企業や個人商店は、やっていけなくなりますし、
もっと言うと、値下げ合戦は、人と人とが価値を認め合わない
尊敬し合わない社会を作ってしまっているのではないか
とも思えてきます。
モノやサービスの値段が、正当な価値を反映したものに戻れば、
雇用も増え、起業も増え、さらに、国の税収も増えます。
つまり、税収の自然増で、増税(税率アップ)を回避できる
というわけです。
ちなみに、私自身は、競争はあった方がよいと
思うタイプですが、安さではなく、質で競い合うのが
よいと思うタイプです。
つまり、人と人が、お互いの価値を認め合いながら
尊敬し合いながら、最高の品質で勝負をするのがよいと思う。
例えば、野球でも、サッカーでも、そうです。
このままいくと、目に見えないような文化的な財産も
すべて、「とにかく安く」という風潮の中で、
壊れてしまいます。
「安さではなく質」を重視するようになれば、
日本の将来は、決して悲観的ではないと思うのですが
いかがでしょうか。
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