森本 直人(ファイナンシャルプランナー)- コラム「アベノミクス停滞の理由」 - 専門家プロファイル

森本 直人
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( 東京都 / ファイナンシャルプランナー )
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アベノミクス停滞の理由

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くらしを守るマネー管理術 FP森本直人は、こう考える 2016-06-08 15:59

6月1日、安倍首相は、消費税増税の再延期を表明しました。

アベノミクスに暗雲が漂い始めています。

アベノミクスの指標としては、日経平均株価を意識する人が
多いのですが、

日経平均株価は、昨年2万円台に乗せたものの
本日時点では、1万6千円台まで下がっています。

なぜこうなったのかを今回考えてみましょう。


・7つのクジラ

日経平均が、昨年までに、大幅上昇したのは、
「官製相場」もひとつの要因といわれています。

具体的には、7つのクジラ

日銀、ゆうちょ、かんぽ、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、
国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済、私学共済

が一斉に株式投資の割合を高めました。

例えば、GPIFが公表した内容によると、
14年3月末で、国内株 15.9% 外国株 15.0%
となっていたのを、

15年3月末は、国内株 22.0% 外国株 20.9%
まで高めています。

GPIFの運用資金は、15年3月末時点で、約137兆円なので、
1年間で10兆円を超えるお金が、株式投資に動いた計算です。

また、GPIFの目安とする資産構成割合(基本ポートフォリオ)には、
国内株25% 外国株25% とあり、上限に近付きつつあります。

ちなみに、そうした運用状況は、
GPIFのホームページにも公開されています。

ネットで誰でも見られるので、当然、外国投資家も見ています。

短期的な利益を狙う外国投資家たちは、これらの情報をみて、
あるタイミングで一斉に利益確定に走った可能性はありますね。

官製相場は、いつまでも続けられるわけではないということです。


・なぜ「官製相場」をつくろうとしたのか

上に書いた通り、官製相場は、外国投資家などに
タイミングを狙われてしまうという大きな弊害があります。

それでも、官製相場をつくろうとしたのは、
個人を主体に株式市場が活性化する呼び水にしたいと
考えたのだと思います。

また、株式市場が活性化し、株価が上昇すれば、
資産効果で、消費にもお金が回るだろうとの思惑です。

では、本当に呼び水になったのかです。

確かに、一部、雇用などに明るさは見えますし、
株価も、アベノミクス前に比べれば、ものすごく上昇しています。

しかし人々のデフレマインドは、さほど変わっていないように思います。


・デフレマインドが変わらない理由

個人的には、将来の年金不安もその理由のひとつと考えています。

実際、FPとしてご相談を受けていても、
将来年金はもらえないよね、といったニュアンスで話される方が多いです。

私も、例えば、今30歳の方が、将来年金をいくらもらえると、
確かなアドバイスができません。

支給開始年齢の引き上げなどの改正が十分に予想されるためです。

もらえる年金が不明なため、ライフプランをしっかりと立てられず、
使えるお金があるのに、必要以上にためこむ状況になっている
ケースもあると思います。

このデフレマインドを払拭できれば、当然、景気回復にもつながります。

では、年金制度をどう改革すればよいのでしょう。

話が長くなってしまったので、私の考えはまたの機会に書こうと思います。

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