田尻 健二
タジリ ケンジ完璧主義で苦しむクライエントさんのカウンセリングのコツ(その2)
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完璧主義で苦しむクライエントさんのカウンセリングのコツの続きです。
前回のコラムの最後に書かせていただいた次の文章への答え(具体策)が今回の内容となります。
(完璧主義で苦しむクライエントさんに対して)カウンセラーに必要な態度は「~しなければならない」「~してはならない」という代わりに「~でも良いんじゃないですか」という受容を促すメッセージです。
ですが、このような態度を完璧にこなそうとは思わないでください、それもまた完璧主義ですから。
現代の催眠療法~カウンセラーが態度で模範を示す:
これは完璧主義のケースに限った事ではありませんが、カウンセリングで、ある方向にクライエントさんを促すにはカウンセラー自身が、そのゴールとなるような状態を模範として見せてあげることが非常に役立ちます。
なぜなら解釈やアドバイスでは、その内容がクライエントにとって腑に落ちないとほとんどの場合、何らかの抵抗を受けてしまい、最悪口論のようになってしまいます。
しかし模範を示すだけならクライエントさんは何かを要求されているとは感じられないため、当然抵抗も生じません。
ところが認識はされているため、何らかの影響を受けることになります。
つまり態度を通して模範として見せてあげることはクライエントさんの抵抗をほとんど受けずに、しかし影響だけは与えることが出来る非常に優れた技法です。
実はこのように、意識の抵抗を受けずに無意識にメッセージを伝えるのが、現代の催眠療法の特徴でもあります。
適度に「いい加減に」かつ「楽しそうに」振る舞う♪
ですからクライエントさんの完璧主義的な思考を和らげようと思ったら、カウンセラー自身が面接時間の間中、様々なにこと対して適度に「いい加減に」振る舞い、なおかつそれを自分で冗談めかして笑い飛ばすくらいの態度が効果的となります。
こ のような態度によって、何事も完璧に行わなければならないわけではなく、しかもそうしなかったからといって責められるわけでもなく、むしろ(カウンセラー のように)楽しそうな人生が得られるかもしれないということが、ほとんど何の抵抗も受けずに無意識にクライエントさんに伝わります。
ぜひ、お試しになってみてください。
最後に、くどいようですが、このような態度を完璧に示そうとは思わないでください、それもまた完璧主義ですから!
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