ガーデナー建築家/勝田無一(建築家)- コラム「シリーズ「住宅と庭」の話 (第1部)(その9)」 - 専門家プロファイル

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( 東京都 / 建築家 )
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シリーズ「住宅と庭」の話 (第1部)(その9)

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シリーズ「住宅と庭」の話 (第1部) 2010-11-05 19:00

【9話.現代の住宅・・・塀がフェンスになって来た!】

 

前回、8話では、見るための庭のある建築の歴史をお話ししました。
そこには内部から浸透する庭空間を囲う「塀」の囲いが必ずありました。


ここは・・・・一転して現代のよくある住宅街です。
塀がありません・・・・フェンスです。


そして塀で囲うプライベートの庭空間は無く、道路から見渡せる建物周囲を装飾するガーデニングの庭となりました。


都心部では地価が高値継続時代となり、分譲地は狭小宅地となりました。
致し方のない現実ではありますが・・・・・



もはや囲うべき庭が無いから・・・うっとうしく陰影を作るだけの塀はかえってじゃまなだけ!!

でも・・・境界・領域を示すフェンスはしっかりと必ず作ります・・・・所有エリアを固持する「囲い」の意識は、
日本人の意識の中で引き継がれているようです。

 

ここにシリーズ「住宅と庭」の話 【1 話.簡単だけど大事なこと!】で登場した疑問。


「塀とフェンス・・・・この似て非なる物の違い」の回答がありました。

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塀とフェンス・・・この似て非なる物の違い

・・・・塀は、同じ囲いでも、「外の部屋」とも言える建物内部に浸透する「庭空間」のための外囲い。建物とワンセットの存在。

・・・・フェンスは、所有敷地エリア意識の境界表示・・・・目印としての囲い。

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庭とガーデニング・・・この似て非なる物の違い

・・・・庭は、部屋に浸透する内部と呼応する外部空間「外の部屋」としての造園演出。

・・・・ガーデニングは、建物を外側からデコレーションする造園演出。

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従いまして、「庭」と「ガーデニング」は、「内側から」と「外側から」と云う、180度見る側の観点と造園意識が異なります。
状況に応じて、この造園目的をはっきり意図して造らなければ、「良い庭」「美しいガーデニング」とすることが出来ません。

・・・・と、独善的に・・・私なりに回答を導き出した次第です。

 

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「住宅と庭」について考えながら、日本人が潜在的に好む住居スタイルを一生懸命考えてきました。


住宅の設計を通して現代の住宅事情を見ると、現代の住宅づくりは高騰した土地事情に押し曲げられている
必然の状況に突き当たります。


面積構成のやりくりと、制約される法的規制・・・・・この状況を跳ね返し、逆手に取る方策を考えねば私の考える
都市住宅は実現できないと、七転八倒の住宅づくりを重ねてきました。

 

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「住宅と庭」研究から見えた!!・・・・明日の家づくり

敷地が狭いからと言ってあの懐かしくて楽しい生活を捨ててしまうのは残念・無念です。


気持ち良く、室内から外に広がる庭空間が取れずに塀がフェンスになってきた現代住宅の


現実ではありますが、出来ればプライバシーの高い庭が欲しいなと思う方は多いはずです。


「夢の庭付き一戸建て」という言葉は、まだまだ死語ではありません。


私の心の中で・・・・「錬金術」ならず「練庭術」への挑戦が湧き上がりました。

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現代の住宅づくりはどうしたらよいか!!

・・・「庭」研究から見えた!! 狭い敷地をのびのび暮らす・・・

・・・都会の中のリゾートハウスを目指す家づくり・・・・

現実打開の建築論へ続きます。

シリーズコラム「住宅と庭」の話 第2部をご参照下さい。

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