レピュテーションリスクの問題として、ネットによるレピュテーションリスク（風評リスク）が顕在化した具体的な事例を挙げてみたいと思います。 

【テラ豚丼動画事件】

２００７年１１月３０日に、吉野家のアルバイト店員とみられる者が、店舗の厨房と思われる場所で豚丼を山盛りにして「テラ豚丼」を作った様子を撮影して動画サイトに投稿したところ、動画コメントや掲示板などで、「食べ物を粗末にしていて不快」、「不衛生だ」などの批判が多く寄せられたことから、この動画は本人によって削除されました。

しかしながら、その後も、この動画は、ネットユーザによってニコニコ動画やYouTubeなどに再投稿され、また、ブログなどでも騒がれ続け、吉野家にもメールや電話での問い合わせが寄せられるようになってしまったものです。

吉野家は、かかる事態を受けて、「弊社商品を悪用した動画『テラ豚丼』がＷｅｂ上に投稿され、お客様には大変不安・不快な思いをさせてしまったことを、心よりお詫び申し上げます。」と謝罪することになりました。

この事件は、ニュースとしてテレビでも報道されたことから記憶にあるかと思います。企業のアルバイト従業員がアルバイト先にかかわる事項について動画にして投稿したり、ブログに書いて掲載したりした結果、その内容について非難、批判が集中的に発生して大騒ぎになり、事態を収拾するために、企業が謝罪を表明したといった事例は他にも複数生じています。

フランテック法律事務所　弁護士　金井　高志

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