赤坂 卓哉(クリエイティブディレクター)- コラム「「通販の商品企画論/広告表現論」」 - 専門家プロファイル

赤坂 卓哉
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赤坂 卓哉

アカサカ タクヤ
( クリエイティブディレクター )
エーエムジェー株式会社 代表取締役
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「通販の商品企画論/広告表現論」

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制作・クリエイティブ 2009-01-12 11:00
年始及びAllAbout掲載記念として、数回に渡り、通販化粧品ブランド「エクスボーテ」をゼロから育てた北野氏との対談をお送りします。

*「ゼロより売上65億を育て上げた北野氏(株式会社シーヴァ代表取締役社長)と語る「通販の商品企画論」・「通販の広告表現論」」

**=たった5年のうちに、売上げ65億円、主力のビジョンファンデーションを累計で500万本を売った北野氏だからこそ聞きたいこと。通販商材としての「商品開発」であり「商品企画」=

赤坂「拡大を続ける通販市場への新規参入が増え、今後も有力な成長市場であると感じております。漠然とした質問ですが、通販市場向けの商品開発や商品企画を行う上で、大切なことを教えて頂けませんか?」

北野「私の場合、”グッと来る”という表現を使います。これは何かというと、商品を作る上で、製造者なり開発者なり、配合成分なり、開発背景なり、何でもいいんですが、自分自身が“これは素晴らしい”“これは世間に伝えなければダメだ!”みたいな衝動を覚えることができるかどうか。それを大切にしています。理屈先行ではなく、感情先行とでも言うのでしょうか。そして、衝動を感じた部分を深掘りしながら商品開発を行っていきます」

北野「衝動を覚えることで、商品に対する思い入れが強くなり、多少の苦労では諦めないようになります。ですから、売れるまでがんばれるんです。著書の中でも書きましたが、単体のブランドとして30億円の売上規模になったエクスボーテというメイクブランドも、その始まりは、商品がまったく売れない苦悩から始まりました。ただ、自分の衝動を信じることで、頑張ることができた。そんな感じでした」

北野「ただ、市場で売れている。競合が売っているから自分も売る、何となくこんなモノが売れるように思って作ってみたというスタンスだけでは、本当の意味で商品に思い入れは持てないですから、そりゃ、調子が良くなければ、すぐにあきらめてしまうでしょう」

赤坂「他に何か間違った商品開発というのはあるのでしょうか?」

北野「矛盾しているようですが、商品に対する思い込みが強すぎると失敗することがあります。強い思いがありながら、商品に対してどこか客観的な視点を持つことができないと、お客様の視点からどんどん離れていく可能性がある。商品企画をしながら、常に、周りの人間、自分であれば化粧品なのですから、周りの女性の意見を日々観察、確認していくという作業が大切です。その中で、確信が持てればGOでしょう。自分だけの思い込みこそは大敵です」

北野「合わせて、商品選定や商品企画・開発を行う過程と同時進行で、広告表現についても合わせて考えながら準備を進める必要があります。通販商品は、キャッチコピーや写真・キャプションを含めた“広告表現が命”です。逆に言えば、それだけで購買意欲を掻き立てることができる商品こそが、通販商品です。せっかく創ったは良いが、商品の良さを説得力を持って伝えられない。“使ってもらえばわかります”では、話になりません」

赤坂「広告表現を専門にしている自分として、通販商品の広告訴求として、“シズル感”(目の前にある/使ってみたいと思わせる)が大切であると感じております。通販商品の王道、お悩み商材を展開する場合などでもそうなのですが、あまり商品スペック(←これどういう意味でしょうか?)に走り過ぎると売れないということが良く起きます。大切なのは、その商品を“使ってみたい“”触ってみたい“と思わせる広告表現が大切だと思います」

北野「広告表現において、右脳と左脳という記号で表現すると分かりやすいかと思います。商品の意思決定をするのは明らかに右脳です。感覚的に買いたい・使いたいと思う瞬間を創る。その感覚を支えるのが、左脳的なロジックを積み上げておくことが大切なのです。新規性の高い商材だからといって、あまり機能訴求(左脳的なロジック)をし過ぎても商品は売れません」

赤坂「最終的に“感覚的な部分を刺激する”という考えに、自分も深く同意します。ラジオやテレビの生通販番組を担当していると、感覚的な訴求を中心に置く方が明らかに売れます」


**=では最後に、エクスボーテに「女優肌」というコピーがあるように、商品の販促においてコピーはとても重要ですが、北野氏はどのようにコピーを考えられていますか?=

赤坂「自分も長年、通販の世界に身を置いていますが、言葉ひとつで売上げが変わるということは身にしみて感じています。北野さんは、コピーを作る際、何か工夫されていることなどはありますか?」

北野「私の場合は、できるだけいろんな広告コピーに触れることを意識しています。誰しもゼロから何かを創るということは困難ですから、良いと思ったものを少しマネることも大事なのではないでしょうか。まったくマネたら何の勉強にもなりませんが、少し物まね、少しオリジナル。その経験を積むことがはじめは大切だと思います。あとは、書いたものと売上数字をにらめっこして、検証を繰り返すことですね。仮説・行動・検証、このビジネスの基本は、すぐれたコピーを書く上でもとても大切なことです。失敗しても成功しても、常にもっと上のレスポンスを求めて書き続けること。考え続けること。それしかないですね」


*北野泰良(きたの やすよし)
1965年 神戸生まれ。
早稲田大学 法学部卒業。
1989年リクルート事件渦中の株式会社リクルートへ入社、1995年同社を退社。
その後、当時従業員が6人だった販促企画会社(株式会社ジークス)に席を置き、一人で流通業を起こす。2001年“女優肌”のキャッチコピーで著名なメイクブランド「エクスボーテ」を立ち上げ、5年間で化粧品ビジネスを売上65億円に育てる。2007年、株式会社ジークス代表取締役を退任。
現在は、株式会社シーヴァ 代表取締役 数多くの化粧品プランニングを手掛ける。

著書『通販ビジネスはなぜ資金(おかね)がないほど成功するのか』(ぱる出版)『10年早く! 成功するためのシンプルな法則』(あさ出版)
株式会社シーヴァ
エーエムジェー株式会社

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